記事

716件の投稿

今年85歳を迎えるポール・ヴァーホーヴェンだが、制作意欲は衰えることなく、現在、2作品の新作を鋭意制作・開発中。本作も自ら指揮を執り、4Kレストア版を完成させた。30年前の公開当時、シャロン・ストーンを一躍世界的なセックスシンボルとしてブレイクさせた本作は、今日に至るまで全世界で3億5300万ドルの興行収入を記録。一世を風靡した〝究極〟のエロティック・スリラーが再び劇場に登場する。 ポール・ヴァーホーヴェン監督作品「氷の微笑」は、製作から30年を経た今もまったく古びてはいない。まぁ30年程度でカ...
映画との出合いで「次世代」の人たちが豊かな思いを広げてくれますように、「映画の力」は時には果てしないはず。そんな願いを込めて、「次世代」を担う人たちに見てほしい映画を推薦するのが「次世代への映画推薦委員会」だ。そして、「映画が育む、ココロとコトバ。」をスローガンに、全国の小学生・中学生の皆さんから、映画を見て思ったことを文章にして応募してもらう「映画感想文コンクール」は今年で10年目。「次世代映画推薦委員会」と「映画感想文コンクール」、それぞれの活動に携わる二人に、映画が持つ素敵な可能性への熱い...
「コンフィデンスマンJP 英雄編」 「スティング」(1973)や「オーシャンズ11」(2001)など、詐欺師たちの騙し合いやクライマックスのどんでん返しが魅力のコンゲーム映画。同ジャンルにおける近年の日本映画の代表作が、義賊的なコンフィデンスマン(信用詐欺師)たちの痛快な活躍をユーモア満載で描いた映画『コンフィデンスマンJP』シリーズ。累計興行収入97億円をあげる大ヒットとなった劇場版3部作を収録する「映画『コンフィデンスマンJP』トリロジーBOX」が5月31日に発売されたのに合わせ、改めて同シ...
わたしたちは〈映画〉を愛でている。それは、時に何かを学び、ある人生の局面を悟らせ、残酷な現実から逃避させてくれることで、己の荒んだ心を癒やしてくれるからだ。先日Blu-ray&DVDがリリースされた「エンパイア・オブ・ライト」(22)は、海辺の映画館を舞台にした作品。オリヴィア・コールマンが演じるヒラリーが、辛い過去を抱えながらも劇場で勤務する姿を描いている。本作は2022年に製作された映画の中で高い評価を受け、第95回アカデミー賞の撮影賞、第80回ゴールデン・グローブ賞の主演女優賞(ドラマ部門...
タイトルは、ポルトガル語で「家族」を意味する「família」に由来する映画「ファミリア」(成島出監督)は、日本で暮らすブラジル人の若者たちと日本人との交流と軋轢を主軸に据えた社会派作品だ。と言っても、決して堅苦しい内容ではなく、ラテンの陽気なリズムに乗って、笑いと涙、アクションにロマンスと、娯楽の要素がちりばめられている。家族って一体、何なのか。この深い問いの答えは是非、2023年6月2日にリリースされたBlu-ray & DVDで探り出してほしい。 ヘイトクライムにテロリズムなど今日...
韓国を代表する俳優たちの共演で、前代未聞のテロ事件に巻き込まれた乗客や、地上で彼らを助けようとする人々の運命を見守るパニック・アクション「非常宣言」が6月2日、Blu-ray&DVDがリリースされた。航空機内と地上で予想もしなかった困難が次々と起こり、先の読めない展開で見るものを引き込む本作の魅力に迫った。 コロナ禍を彷彿とさせるパニック・アクション 娘と共にハワイ行きの航空機に搭乗したパク・ジェヒョクは空港内で出会った怪しい男が同じ便に乗ったことを知り、不吉な予感を覚える。離陸後、トイレを利用...
2000年にロシアで実際に起きた原子力潜水艦クルスクの爆発・沈没事故と、救助をめぐる顛末を、トマス・ヴィンターベア監督により映画化した「潜水艦クルスクの生存者たち」のBlu-rayが6月2日に発売。未曽有の事故をめぐり、残された時間に翻弄された生存者、彼らの救出に乗り出す者、そして無事を祈る家族を描いた本作の見どころを解説する。 多国籍キャスト&スタッフがロシアの惨事を描く ムルマンスクに司令部を置くロシア海軍北方艦隊。軍事演習のためバレンツ海を進んでいた原子力潜水艦クルスクだったが、搭載した魚...
ハロウインの夜に起きた9人連続殺人事件。犯人の遺体が行方不明となって1年後、死んだはずの殺人ピエロ“アート・ザ・クラウン”が再び夜の街に現れ、前年よりもさらに残酷な血まみれのハロウィン・パーティを開始する……。2019年にDVD発売され容赦ない残酷さが物議を醸した「テリファー」の続編がついに公開。さすがにこれはやりすぎではないかとさえ感じる、キモく、むごく、グロいシーンが満載だ。「全米が吐いた!?」という宣伝コピーもけっして大げさではない。トラウマ必至の超残酷映画に、あなたは劇場でどこまで耐えら...
校長と子どもたちの「対話」の授業が、分断された街を変える まだ半ば眠ったようなベルファストの街。目に飛び込んでくる壁画や落書きは、カトリックとプロテスタントの宗派闘争から生じた悲劇と荒廃を物語る。エルヴィス・プレスリーを口ずさみつつホーリークロス男子小学校へ車を走らせ、子どもたちをハグやタッチで迎えるのはケヴィン校長だ。堂々としてユーモアたっぷり、そして「新学期最初の哲学の授業へようこそ」——哲学に情熱を燃やす。 哲学とは襟を正して拝聴するものではなく〝問う〞姿勢だと校長は教える。「他者に怒りを...
『エルピス―希望、あるいは災い―』は、映画「ジョゼと虎と魚たち」やNHKの朝ドラ『カーネーション』といった作品で知られる人気脚本家の渡辺あやが、『カルテット』や『大豆田とわ子と三人の元夫』など、これまでも話題作を数多く手掛けてきた佐野亜裕美プロデューサーとタッグを組み、6年もの歳月をかけてさまざまな障壁を乗り越え、不屈の精神で制作を実現させた、全10話から成るドラマである。テレビ業界の裏側を誰よりもよく知る者たちが、あえてテレビ業界の負の部分にフォーカスをあてることで、社会に潜む“違和感の正体”...