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強い女性を演じさせたら、戸田恵梨香は抜群の威力を発揮する。オフの時に見せるきりりとした眼差しや、はっきりとした物言いも関係しているが、演技に関して言えば、表に見せていた強さを維持できず、その端正な表情が綻んだときの内なる弱さをきちんと演じられるから、強い女の陰影が深まるのだと思う。2018年は日本映画の興行収入第一位となった『劇場版 コード・ブルー ―ドクターヘリ緊急救命―』での緋山美帆子役、そして若年性アルツハイマーの医師を演じたテレビドラマ『大恋愛〜僕を忘れる君と』での演技で社会的な反響を呼...
<不定期連載1>まだ知られてない樹木希林の魅力 『いつも心に樹木希林 ひとりの役者の咲きざま、死にざま』より その死にざまにより、なおいっそう鮮やかにその像を私たちの記憶に刻印した樹木希林さんが、名エッセイストであったということをご存知の方は案外、少ないかもしれない。 本書『いつも心に樹木希林 ひとりの役者の咲きざま、死にざま』に再録した連載エッセイ〈樹木希林のあだダ花の咲かせかた〉では、見事な書き手としての希林さんを知ることができる。 希林さんが連載したのは現代評論社から出ていた月刊誌『現代の...
出版社の陰謀!?原作者が語る『翔んで埼玉』の誕生秘話! 「埼玉県民にはそこらへんの草でも食わせておけ!」「埼玉なんて言ってるだけで口が埼玉になるわ!」……過激なセリフが飛び交う、埼玉dis(叩き)が魅力のギャグマンガ『翔んで埼玉』が、発表から30余年を経てついに実写映画化。都会と地方の間で引き裂かれる埼玉版『ロミオとジュリエット』に、映画オリジナルで愛と革命のエピソードがたっぷりと加わったギャグ・アクション大作となった。麗しき高校生二人に、二階堂ふみとGACKTが初共演。伝説の埼玉県人に京本政樹...
特別対談:麻倉怜士(オーディオ・ビジュアル評論家)×樋口真嗣(映画監督) ブルーレイを進化させた「Ultra HD Blu-ray」(以下、UHD)が2016年に登場してから丸2年。現在、300タイトル以上が揃い、市場規模も順調に推移している。新作はもちろん、昨年末には製作50周年を記念し新たにプリントされた70ミリフィルムを基に製作された『2001年宇宙の旅』UHD版がリリースされ話題になるなど、強力なビッグタイトル、画質力・音質力・作品力の高い作品が市場を牽引している。 そこで、自身も『シン...
『半世界』で炭焼き職人の高村紘を演じた、稲垣吾郎。公開は『クソ野郎と美しき世界』(2018年)が先だったが、撮影はこちらが先行していた。独立後初めての映画で、映画主演も『笑の大学』(2004年)以来、久しぶり。美しく優雅な男性や、エキセントリックな役を演じることが多かった稲垣だが、『半世界』では土にまみれ、灰にまみれ、日常にあくせくする中年男性としてそこに存在している。映画俳優として新たな地平に立った彼が、いま見据えるものとは? 主演でしか味わえないこと 阪本順治監督はこの作品をスター映画と考え...
若尾文子、岩下志麻、桃井かおり、原田美枝子に宮沢りえ。「キネマ旬報ベスト・テン主演女優賞」を3回受賞した歴々に、このほど安藤サクラも名を連ねた。しかも2010年代の7年間(2012~2018年)だけで、3度目の栄冠という快挙。60年代に若尾文子が8年間で同じ記録を達成していることを踏まえても、名優と呼んで差し支えない域に達した感がある。だが、本人は自身のことよりも夫である柄本佑の「主演男優賞」受賞に、顔をほころばせた。 安藤サクラ(以下、安藤):「すっごく、うれしかったです。それは夫婦で受賞した...
音楽の力で今冬を席巻した『ボヘミアン・ラプソディ』。Netflixをはじめとする配信による新作公開の増加。映画の共通体験の場としての劇場のあり方が問われる中、ハリウッドの映画人たちはどこへ向かうのか? (C)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved. 2018年のアメリカ映画を振り返るにあたり、日本でも予想外の大ヒットとなった2本の音楽映画のことから始めないわけにはいかないだろう。1本目は『グレイテスト・ショ...
「あなたはこんなにも魅力的です、ずっと愛していました」…松本花奈監督から主演の橋本愛へ、そして映画から観客へ、そのメッセージを伝えるためのラブレターのような、わずか8分の作品『愛はどこにも消えない』。『21世紀の女の子』のうちの一篇である。この映画は、80年代後半~90年代生まれの監督15人が集結、“自分自身のセクシャリティあるいはジェンダーがゆらいだ瞬間が映っていること”を共通のテーマに8分以内の短篇で表現するオムニバス作品。 女優陣を代表して橋本愛にこの作品について質問した。聞き手は、『21...
『夜明け』の柳楽優弥は初々しい。演じるキャラクターが初々しいのではない。演技表現そのものが初々しい。確かなキャリアを積み重ね、唯一無二と言っていい存在感を身に付けた俳優が、かくも初々しく画面の中に存在していることに驚かされる。 「最近出てる作品の役が、どちらかと言えば個性的で。台本を読んだときに、組み立てるための摑みどころがあるものが多かったんです。今回のキャラクターは事前に組み立てていくというよりは、(撮影)現場で起きたことにしっかりリアクションできるようなやり方をしたいなと。そのことを監督に...
最近の中国映画界は、海外の映画祭で高評価を得た作品と、エンタテインメント色の強いヒット作という、異なる特徴を持った新世代監督の台頭で二極化している。 『迫り来る嵐』や『象は静かに座っている』(中国公開は未定)は映画ファンから支持されても、本国での興行的成功は期待しにくい。最近はネット配信などでの回収も見込めるとはいえ、作家性、資金調達、市場のバランスを取るのが難しいのはどこの国も同じだ。 ウェブサイト「影視工業網」を運営する北京画外科技が若手監督60人に対して行ったアンケート結果(*)によると、...