福島県双葉町が映画づくり・人材育成の場として新たな可能性
『ぼくらのレシピ図鑑シリーズ』など映画を活用とした地域プロデュースを行うキネマ旬報企画(映画24区)は、昨年末に「福島浜通りシネマプロジェクト2025」を実施。本プロジェクトは福島県浜通り地区・双葉町地域にて行われる全国の若者を対象にした映画づくり体験プログラム。2022年に経済産業省からの委託事業として始まり、今回で4年連続の開催。
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これまで永田琴、市井昌秀、吉田康弘など映画界の第一線で活躍する多くの映画人たちがスタッフとして参加しており、受講者としてもスタッフとしても参加希望者が殺到する人気プログラムと定着してきている。
今年も地元市民および日本全国から学生・若者たちが集まり、プロのスタッフとともに、地域住民や企業の皆さまの協力のもと、映画作りに挑戦した。
双葉町での映画づくりで生かされる、人づくり、まちづくり──
本プロジェクトの統括プロデュースを務める、キネマ旬報企画の三谷一夫氏は、『「福島浜通りシネマプロジェクト」は、一過性で終わることなく、10年間続けることを一区切りの目標として立ち上がりました。復興の最中、年々移り変わる双葉町の姿を、プロの映画人と全国から集まった学生たちが共にカメラを通じて、「映画」という形で記録し続けるプロジェクトです。と同時に、震災前から双葉町に伝承されてきた歴史や文化、そして震災以降、遠く離れた場所から双葉町に思いを馳せる人々の心の中にある「変わらない双葉町」の姿も改めて見つめ直す機会になれば幸いです。』とプロジェクトへの思いを語った。
フレッシュな顔ぶれ、チームリーダーに若手起用
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期間は2025年12月16日から20日までの5日間。今後の活躍が期待される若手監督やプロデューサーたちがリーダーに就任し、4人中3人が初の企画参加というフレッシュな顔ぶれが揃った。
Aチームリーダーには、宮瀬佐知子(「ミルクレディ」)と林真子(「これらが全てFantasyだったあの頃。」)、Bチームには渡邉りか子(「心玉」「すとん」)、北林佑基(「パッキン太郎」)が担当。2チームに分かれ、ロケハン、脚本づくり、撮影、編集、最終日には上映会と、映画づくりの全ての工程を、同世代の仲間たちと協力し完成させた。
作品のテーマは「プレゼント」
今回、参加者たちが挑戦する作品のテーマは「プレゼント」。各チームに分かれ、言葉から派生させていくイメージを付箋やホワイトボードに書き出しながら、作品のイメージを固めていった。
Aチームは「疎遠になっていた4人が1枚のカードをきっかけに再会。それぞれ抱えた問題をぶつけあい、そこから止まっていた4人の時間が再び動き出す」ストーリー。
Bチームは「プレゼントという単語から“恩送り”という言葉が出てきた。恩送りは相手に限らず恩がめぐって返ってくること。そこからストーリーを展開」していった。
各チームともに、リーダーを中心に何度も何度も話し合いを重ね、決して妥協はしない“映画づくり”をすすめ完成を目指した。
双葉町を知る。はじめて地元住民が映画撮影に参加
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今回は映画づくりを学ぶとともに、開催地である双葉町のこと知ってもらうことも目的のひとつ。2日目の午前中には、この町の歴史を知る「東日本大震災・原子力災害伝承館」を全員で見学、魅力あるまちづくりのため2019年に設立された「一般社団法人ふたばプロジェクト」による町ガイドのプログラムに参加。被災した建物から復興に向けて作られた新たな名所などを巡った。
また、今回初の取り組みとして、地域で生活する子どもたちを対象とした事前ワークショップを開催し、撮影期間中には各チームの作品への出演を通じて、参加者と地元住民との交流が生まれた。
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■「福島浜通りプロジェクト2025」概要
対象年齢:16歳(高1)~35歳
実施期間:2025年12月16日(火)~20日(土) 4泊5日
実施場所:福島県双葉町
参加人数:各チーム
学生リーダー1名、クルー5名
■本プログラムへの参加者の声
・「自然豊かな素敵な双葉町をどう生かせるか、とことん話会いました。小さな偶然・奇跡が作品をいい形にしてくれました。」
・「1回目から参加していますが、変わりゆく双葉を映像に残せていけることがうれしい。」
・「地元の方にも深く関わっていただき、ここからこのプロジェクトは本格的に動き出すんだと改めて思った。これからも続くプロジェクトにしたい。目標は参加してくれた子どもたちが学生になった時、このプロジェクトに参加してくれること。」
・「今回の作品のテーマ“プレゼント”のように、まさに5日間が自分にとってプレゼントのような時間だった」
公式HPでは、各チームの作品が公開。活動報告なども掲載。
■各チーム作品概要
Aチーム
「ふたばのよつば」(11分)

●出演
水野彩美、一宮レイゼル、小熊美由紀、鈴木智恵、四宮義斗、伊藤脩平、(双葉町の子どもたち)綾部蒔千、綾部灯来、岩本真歩、岩本真芽、高久田寧々
●STORY
思い思いの宝物をタイムカプセル缶に入れた4人の子どもたち。15年後、成長した彼らのもとに「2025年12月20日午前10時 双葉町こども園に集合」といった招待カードが見つかる。久しぶりに再会し話が弾むも、肝心のタイムカプセルを保管した場所は見つからない。そんな状況にイライラし始めた4人。そのうち険悪な雰囲気になり、ついには言い合いに……。
Bチーム
「めぐる」(12分)

●出演
村川晴南、佳香、九條えり花、中亮介、中澤莉胡、白川紗江、(協力してくれた地域の方)齊藤泰道、綾部蒔千、綾部灯来、高久田寧々
●STORY
ハイエースで旅するハル、エリカ、カコの女性3人組。双葉町にたどり着くも、道が分からずガソリンもなくなりイライラし始めたエリカを、二人はまるで気にする様子がない。さすがにお腹もすいたからと、3人は車から降りてぶらぶらとまち歩き。だがハルは一人、手持ちのカメラで景色をひたすら収めるだけで一向に口を開かず、画像を見せることもしない……。
ハマカルアートウィークへ出品
ハマカルアートウィークは、浜通り内をめぐり、“アートと人”、“アートと地域”、“人と人”、“人と地域”が出会うことで、未来に向けてつながるきっかけとなることを目指し、今年は「であう、つながる、ハマカル」がテーマ。
東日本大震災・原子力災害伝承館でのメイン展示をはじめ、浜通り全体を会場として、各地で展示・報告会・ワークショップ等を実施。浜通りで生まれた新たなつながりを追体験できる。
今回のプロジェクトでつくられた2チームの作品を期間中上映を行う。
