昭和100年!邦画5社とキネマ旬報が「いま観たい100作品」を厳選――第3回【監督の手腕にうなる一本】
「昭和映画」を牽引してきた東宝、松竹、KADOKAWA、東映、日活の邦画5社と大正8年の創刊から映画に伴走してきたキネマ旬報が、来る昭和100年を記念し、昭和映画を代表する100作品を厳選!
6つのジャンルに分け、キネマ旬報誌面では3月号より短期連載をスタートしたが、今回はその第3回となる妥協なき演出、カメラワーク、そして心揺さぶられるストーリー……。黒澤明、小津安二郎ほか昭和の名匠たちなど、国内外の映画界に影響を及ぼしてきた【監督の手腕にうなる一本】をご紹介。
身代金奪取のトリックシーンが圧巻! 黒澤明の極上サスペンス「天国と地獄」(1963年)
エド・マクベインの小説『キングの身代金』(1959年、『87分署シリーズ』の1篇)に触発され、「椿三十郎」の小国英雄、菊島隆三、久板栄二郎、黒澤明が共同で脚色し、黒澤明が監督。誘拐犯と捜査陣との息づまる対決を描いた、全篇に緊張感がみなぎるサスペンス映画の決定版。実際にこだま号を走らせ、8台のカメラを同時に回すというダイナミックな撮影が敢行された。また「踊る大捜査線 THE MOVIE」(1998年)では「天国と地獄」へのオマージュシーンが登場し、話題を呼んだ。
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世界の映画監督が選ぶ“世界一の映画”に選出!本当の家族とは…「東京物語」(1953年)
世界映画史上のベスト・テンにもたびたび選出されている小津安二郎監督の代表作の一つ。市井の人々の日々のスケッチから、年老いていく老人の心境を淡々と綴る。ロー・アングルの構図、相似形の身振り、ユーモラスな日常会話の反復など独特のスタイルで、家族の変容という普遍的なテーマを描き続けた小津監督の真骨頂。

追う者と追われる者の愛と運命を重厚に描き上げた名作「飢餓海峡」(1965年)
水上勉の同名小説を内田吐夢が監督した推理劇。昭和22年(1947)9月20日。台風10号が上陸する中、北海道岩内の質店で一家惨殺事件が発生。その直後、青函連絡船が沈没する。この二つが、函館警察の弓坂刑事の捜査で結びつく。特殊な映像処理を試み、追う者と追われる者の愛と運命を描いた凄絶な人間ドラマ。

“清順美学”が緊張感と笑いを孕む異色のハードボイルド「殺しの烙印」(1967年)
特異な色彩感覚と斬新な映像で唯一無二の“世界観”を作り上げてきた鈴木清順監督が、宍戸錠を主演に迎えた「殺しの烙印」(1967)。No.1の座を巡り、殺し屋たちが壮絶な闘いを繰り広げる。全篇に緊張感と笑いを孕んだ異色のハードボイルド映画。

崔洋一監督が挑むハードボイルドの大御所・北方謙三ワールド「友よ、静かに瞑れ」(1985年)
北方謙三の同名小説を、脚本・丸山昇一、監督・崔洋一で映像化。罠にはまって留置場に入れられた友人を救出しようと奔走する男を描き出す。ハードなアクションと冷徹な抒情で見せる、愛と欲望と裏切りの物語。

いずれも名作ばかり。いま見ても全く色褪せていない“巨匠作品”の魅力を堪能したい。
次回は、「まずはここから! 昭和の名作入門」。5月下旬に公開予定です。
なお、厳選された100作品はすべて、キネマ旬報公式Webサイトに掲載されています。
■名作発掘!昭和100年、いま観たい映画 公式サイト:https://kinejun.jp/showa100
■キネマ旬報5月号の詳細はKINEJUN ONLINE SHOP
