昭和100年!邦画5社とキネマ旬報が「いま観たい100作品」を厳選――第4回【まずはここから! 昭和の名作入門】
「昭和映画」を牽引してきた東宝、松竹、KADOKAWA、東映、日活の邦画5社と大正8年の創刊から映画に伴走してきたキネマ旬報が、来る昭和100年を記念し、昭和映画を代表する100作品を厳選!
6つのジャンルに分け、キネマ旬報誌面では3月号より短期連載をスタートしたが、今回はその第4回【まずはここから! 昭和の名作入門】をご紹介。
夭折の天才・川島雄三が描く痛快エンタテインメント
「幕末太陽傳」(1957年)
「洲崎パラダイス 赤信号」(1956)や「しとやかな獣」(1962)など人間の性をシニカルかつ客観的に描いてきた川島雄三監督。45歳という若さでこの世を去った彼の初の時代劇にして、代表作のひとつ。落語の『居残り佐平治』を下敷きに、「風船」(1956)の今村昌平や、田中啓一(山内久)の協力を得て書いたオリジナルシナリオを自ら監督した。撮影は「青春の抗議」(1957)の高村倉太郎。遊郭に居座り続けるお調子者の佐平次をフランキー堺が、遊郭に出入りする高杉晋作を石原裕次郎が好演。畳み掛けるようなスピーディな展開で、江戸の粋とバイタリティを凝縮し、さらに権力に抗う痛烈な批判もきちんと盛り込んだ痛快コメディ。1957年 第31回キネマ旬報ベスト・テン日本映画第4位、フランキー堺は同・男優賞を受賞した。

東宝が誇る「ゴジラ」シリーズ記念すべき第1作
「ゴジラ」(1954年)
1954年11月3日に公開された「ゴジラ」は、放射能を扱った特撮怪獣映画の金字塔。水爆実験で海底の生活環境を破壊されたゴジラが東京を焦土と化す。日本が世界に誇る一大コンテンツに成長した“ゴジラ”。山崎貴監督の令和版「ゴジラ-1.0」(2023)は大ヒットし、第96回アカデミー賞では視覚効果賞を受賞。続篇となる「ゴジラー0.0」が今年の11月3日、ゴジラの日に公開予定だ。

日本映画史に名を残すパニック映画の傑作
「新幹線大爆破」(1975年)
「スピード」(1994)のモチーフ元とも言われ、2025年には樋口真嗣がリブートしたパニック大作。東京・博多間を走る新幹線に、時速80キロ以下になると爆発する爆弾が仕掛けられる。犯人と捜査当局との対決を軸に、極限状態に置かれたさまざまな人間模様がドラマチックに展開する。

網走から夕張へ、北の大地をゆく珠玉のロードムービー
「幸福の黄色いハンカチ」(1977年)
アメリカのポップスグループ“トニー・オーランド&ドーン”のヒット曲〈幸せの黄色いリボン〉を、山田洋次監督が翻案して映画化。。出所した男が行きずりの若者二人と共に、妻のもとへ向かう姿を描く。任俠映画からの脱皮を図ろうとしていた高倉健を主演に起用。この年に創設された第1回日本アカデミー賞では主要部門を独占する。

「カ・イ・カ・ン」の名台詞が生まれた薬師丸ひろ子の出世作
「セーラー服と機関銃」(1981年)
相米慎二が映画初監督作「翔んだカップル」(1980)に続き薬師丸ひろ子を主演に据え、赤川次郎の同名小説を映画化した角川映画。単なるアイドル映画と思いきや、徹底した長回しを使うなど、今見ても“責め”の演出が光る。2016年には、橋本環奈主演でリメイクされた。

いずれも名作ばかり。いま見ても全く色褪せていないエンタメ度が高く“入門篇”ふさわしい作品を堪能したい。
次回は、「日本中が夢中!昭和のヒーロー」。6月下旬に公開予定です。
なお、厳選された100作品はすべて、キネマ旬報公式Webサイトに掲載されています。
■名作発掘!昭和100年、いま観たい映画 公式サイト:https://kinejun.jp/showa100
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