只者ではない下津優太は、身体が映画を知っている――「NEW GROUP」〈あなたに観てほしい、日本映画がある 第6回〉
キネマ旬報YouTubeチャンネルにて配信している〈あなたに観てほしい、日本映画がある〉。現在公開中の日本映画の中から、特にオススメしたい1作品を厳選してその魅力を紐解いていくレビューの第6回が、6月18日より配信。今回取り上げた作品は、山田杏奈主演、青木柚、ピエール瀧出演、新鋭・下津優太監督によるSFサイコエンタテイメント「NEW GROUP」。

家庭に問題を抱え引っ込み思案の女子高生の愛(山田杏奈)。海外からの転校生で日本の集団行動に馴染めない優(青木柚)。お互いに気になる存在になっていくふたりだったが、学校では人間ピラミッドが作られていく不可思議な現象が起きていく。それはやがて地球規模の集団怪現象の始まりに過ぎなかった……。
本作は冒頭から不穏で奇怪なシーンで幕を開けるが、山田氏も引き込まれた様子で次のように語る。
“「来たな!」という感じだった。のっけから「これはやるぞ!」と胸が震えた。
そして、下津優太監督の商業映画デビュー作の「みなに幸あれ」について『これまで観たことのない奇怪な映画だった』と賛辞を贈り、本作にも通じるテーマである特徴的な「幸福」についても触れながら監督を只者でないと言う。
また、山田氏は「NEW GROUP」の“異様さ”について順を追って挙げていくが、中でも時代錯誤的な集団行動のシーンから、自身の子供時代の学校を重ね合わせてゆく。――足並みが揃うまで練習をさせられた運動会での入場行進、組体操での人間ピラミッド、そして崩したピラミッドを見て大きな拍手をする父母たちの姿――思えば異様だったと言う。しかし、往復ビンタ、バケツを持って廊下に立たされるといった体罰が当たり前の学校だったが、1964年の東京オリンピックでのある場面に、その転換点を山田氏は見出したと言う。

物語が進むにつれ人間ピラミッドがどんどん大きくなり、教師が積極的にピラミッドに加わるように促していく。その奇怪な現象は校内に留まらず街中に広まっていき、愛と優も巻き込まれていくのだが、前作に続き本作でも「幸せ」がテーマとなる。人は集団になることが幸せなのだと言い、多様性が求められる現代社会に大きな問題を投げかけていくのだ。
本作の主人公の愛と優は何を見出すのか、集団を導く校長(ピエール瀧)との対峙についてなど、山田氏のレビューと共に現在公開中の「NEW GROUP」をぜひ劇場でご覧いただきたい。
※本番組は東芝の「音声合成技術 ToSpeak™」により生成された音声で読み上げられ、視聴の幅を広げて音声コンテンツとしても楽しむことができる構成となっている。


「NEW GROUP」
監督・原案:下津優太
脚本:下津優太、佐原百子
出演:山田杏奈、青木柚、駒井蓮、木下暖日、佐々木ありさ、ロジャース歌乃、細井じゅん、松本亮、足立智充、坂倉なつこ、清水崇、前野朋哉、ピエール瀧
配給:KADOKAWA
©︎2026映画「NEW GROUP」製作委員会
公式サイト:https://newgroup-movie.jp/
6月12日(金)より全国公開
