ミケランジェロ・アントニオーニ特集、「赤い砂漠」の冒頭シーン&文化人コメント公開

巨匠ミケランジェロ・アントニオーニの「愛と殺意」(1950/4K修復版)、「敗北者たち」(1953/2K修復版)、「女ともだち」(1955/2K修復版)、「情事」(1960/4K修復版)、「赤い砂漠」(1964/4K修復版)を上映する特集〈ミケランジェロ・アントニオーニ レトロスペクティヴ 愛の不毛、彷徨える魂〉が、8月15日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国で順次開催される。このたびアントニオーニ初のカラー作品である「赤い砂漠」の冒頭シーン映像、ならびに文化人のコメントが到着した。

「赤い砂漠」の舞台はイタリア北東部の都市ラヴェンナ。ストライキ中の労働者らが行き交う工場地帯を、緑色のコートを着たジュリアーナ(モニカ・ヴィッティ)が息子の手を引いて歩いてくる。労働者から食べかけのパンを買い求める姿から、ジュリアーナの情緒不安定ぶりが窺える。

やがて工場で働く夫から同僚のコラド(リチャード・ハリス)を紹介され、仲を深めていくジュリアーナだが、いったいどこへ向かうのか?

〈コメント〉

アントニオーニの映画に生きる人々は、誰もが消し去ることのできない孤独を抱えているように思う。
なかでも『情事』は、人間が最も他者に知られたくない感情や、自分自身でさえ目を背けたい恥部に静かに触れてくる。アントニオーニの鋭い洞察は、男と女のどうしようもなさを容赦なく映し出し、その先にある抗いようのない真実を私たちに突きつける。
人間とは何か。その本質を、私はこの映画から学んだ。
──行定勲(映画監督)

『情事』
失踪した人物を探す映画は、探す側が深淵を覗くことになる。
考察や伏線では語られないアントニオーニの人間観を、倫理とかそういうもので形づくられない映画を、若い世代にもぜひ観てほしい。
──岨手由貴子(映画監督)

『情事』に先立つものとして『愛と殺意』があり、『情事』を引き継ぐものとして『さすらいの二人』がある。『愛と殺意』、『情事』、『さすらいの二人』の3本を並べてみると、アントニオーニのフィルモグラフィを貫く問題意識の一端が浮かび上がるはずだ。
──須藤健太郎(映画批評家)

人間が抱える根源的な感情をきわめてさっぱりと描くアントニオーニの映画を見ると、不安が伝播してきてもいいところがなぜか安らぐ。
現実が空虚なものであることが前提となったいま、彼の映画はあまりに禁欲的に映るかもしれない。
しかし、それは現代が彼の映し出した世界をなぞっているにすぎないのだ。
──山中瑶子(映画監督)

アントニオーニの映画では、世界からなにかが抜け落ちる。そのとき、愛の不毛とうたわれてきた映画の裏地に、近すぎる女たちが縫いこまれていた。それは富や病や孤独と呼ばれるほかなかったのだろうか。『女ともだち』と『敗北者たち』が隣り合う、その日に。
──五所純子(作家・文筆家)

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「赤い砂漠」

〈ミケランジェロ・アントニオーニ レトロスペクティヴ 愛の不毛、彷徨える魂〉

「愛と殺意 4K修復版」© 1950 Fincine /Villlani F. Torino – Surf Film s.r.l. All Rights Reserved
「敗北者たち 2K修復版」1953 © Film Costellazione
「女ともだち 2K修復版」© TITANUS Licensed by RAI Com S.p.A. - Rome, Italy. All Rights Reserved.
「情事 4K修復版」© RTI 1960
「赤い砂漠 4K修復版」© 1964 RTI
配給:ザジフィルムズ
公式サイト:https://www.zaziefilms.com/antonioni2026/

ミケランジェロ・アントニオーニ特集、日本劇場初公開の「愛と殺意」「敗北者たち」含む5作上映

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