「ヤンヤン 夏の想い出」とカンヌの思い出、ハリウッドで製作する難しさ――〈あの懐かしの映画を語ろう2〉第4回後編
キネマ旬報YouTubeチャンネル〈あの懐かしの 映画を語ろう2〉の第4回の後編が8月26日(水)より配信が開始。フジテレビなどでヒット作から単館系まで数多くの作品を手掛けた河井真也氏に今回語っていただいたのは「ヤンヤン 夏の想い出」を引っ提げて参加したカンヌ、そしてハリウッドでの映画製作の難しさについて。

「スワロウテイル」の後、岩井俊二監督の作品を世界へという思いからスタートしたY2Kプロジェクトだったが、肝心の岩井監督の作品は製作に至らず(のちに「リリィシュシュのすべて」(2001年)として公開)、エドワード・ヤンの「ヤンヤン 夏の想い出」の製作の経緯が語られた。そして後編では、もうひとりの監督、スタンリー・クワンの「異邦人たち」(2000年)について河井氏は語り始める。
「異邦人たち」は主演に大沢たかお、ミシェル・リー、スー・チー、桃井かおりといった日本、香港、台湾のスターが出演した、小さな島に隔離された人々の運命を描いたドラマ。河井氏は3人の監督との打ち合わせで、エドワードにはカンヌ、スタンリーにはベルリン、そして岩井監督にはベネチアかアカデミーで受賞する作品の製作を目標に設定していたというが、「異邦人たち」はその狙い通りに第50回ベルリン国際映画祭のコンペ作品として出品される。河井氏も大沢たかお、桃井かおりと共にベルリンへ乗り込み、現地でミシェル・リー、スー・チーと合流したが残念ながら賞には絡めず。一方「ヤンヤン」がカンヌで監督賞を受賞したこともあり、話題がそちらに集中してしまいあまり注目されなかった不遇な作品であったという。
そんな「異邦人たち」に出演した桃井かおりについて、是が非でも出演して欲しいと監督のスタンリー・クワンが熱烈にオファーしていたことも明かされる。当初英語での演技を不安視していた桃井かおりも、監督の熱意に最終的には出演を決めたというが、この作品の出演をきっかけに「SAYURI」(2005年)などの海外作品にも積極的に出演するようになり、今ではロスを拠点に活動するようになる。彼女にとって転機となった作品と言えるだろうか。
そして話は、カンヌ国際映画祭に参加したことについて。初めての参加に勝手が分からずに、本来あまりしてはいけない会場内でのビデオ撮影をしてしまったことや、映画祭期間内の宿泊費の高さについて、さらに現地での監督とプロデューサーの扱いの違いなど、思い出深いエピソードが語られる。
さらに話はアジアの映画監督の作品作りの違いから生じる、ハリウッドで映画製作をすることの難しさについて語られる。3回にわたり河井氏に語っていただいた「ヤンヤン 夏の想い出」の後編(最終回)の本編をぜひご覧ください。
「ヤンヤン 夏の想い出 4Kレストア版」
監督・脚本:エドワード・ヤン
プロデューサー:河井真也
撮影:ヤン・ウェイハン
照明:リー・ロンユー
編集:チェン・ポーウェン
録音:ドゥ・ドゥーツ
美術・音楽:ペン・カイリー
出演:ウー・ニエンジェン、エレン・ジン、イッセー尾形、ジョナサン・チャン、ケリー・リー
2000年/台湾・日本合作/173分
配給:ポニーキャニオン
©1+2 Seisaku Iinkai
公式サイト:https://yi-yi.jp
