つい嫉妬してしまう脚本──「平行と垂直」〈あなたに観てほしい、日本映画がある 第9回〉
キネマ旬報YouTubeチャンネルにて配信している〈あなたに観てほしい、日本映画がある〉。現在公開中の日本映画の中から、特にオススメしたい作品を厳選してその魅力を紐解いていくレビューの第9回が、9月11日より配信。今回取り上げる作品は、SUPER EIGHTの安田章大が企画から参加しのんとW主演を務め、自閉スペクトラム症の兄と、結婚を控える妹との変わりゆく日常と絆を描いたヒューマンドラマ「平行と垂直」。

山田氏は始めに、本作の主人公・大貴(安田章大)の“自閉スペクトラム症”(自閉症)という言葉のイメージについて語る。[閉]という社会から自分を閉ざす印象を与える日本語に対して、英語の[autism]には、自己を意味するギリシャ語に由来する[auto]が使われていることから強い個性を感じさせる肯定的な響きすらあるとして、「平行と垂直」の大貴についても同じように見ていることを窺わせる。
そこから「レインマン」(1988)を皮切りに様々な障害を持つ人物を主人公にした作品が“躍り出てきた”として作品名を挙げるが、山田氏も「バケツと僕!」という知的障害のある少年を主人公にした作品の脚本を書いたことにも触れる。
小林正太郎監督の経歴について、父親の上岡龍太郎氏のこと、数多くの助監督につき監督としてデビューしてからは順調なキャリアを歩んでいることなどを語る。また、監督とは何度も会う機会がある間柄で、好青年で役者でも通用しそうなほどであると褒めている。

山田氏は「平行と垂直」の脚本を書いた山野海について、脚本家としては初めて聞く名前だとしながらも最大限の賛辞を送る。
『本作の脚本はいい。こんないいホンを書ける山野さんについ嫉妬をしてしまった』
自身も脚本を書く山田氏だが、本作の成功は脚本に負うところが大きいと言う。続けて主人公・大貴の日常の描写について、妹の希(のん)の子供時代のエピソードなどから、本作についての本音が語られる――。
兄妹の深い絆を軸に、大阪・堺を舞台にした温かな目線で変わりゆく日常を描いた本作を、山田氏のレビューと共にぜひ劇場でご覧いただきたい。
※本番組は東芝の「音声合成技術 ToSpeak™」により生成された音声で読み上げられ、視聴の幅を広げて音声コンテンツとしても楽しむことができる構成となっている。


「平行と垂直」
監督:小林聖太郎
原案・脚本:山野海
音楽:富貴晴美
撮影:大塚亮
企画:安田章大
出演:安田章大、のん、伊島空、高山トモヒロ、谷村美月、福田転球、神野三鈴、菅原大吉
配給:東映ビデオ
©2026「平行と垂直」製作委員会
