杉田協士監督「十月のうた」が第27回東京フィルメックスのコンペティション部門に出品

「春原さんのうた」「彼方のうた」の杉田協士監督が、喪失を経験した者の人生の向き合い方を描いた「十月のうた」が、第27回東京フィルメックスのコンペティション部門に出品される。映画祭版ビジュアルと特報映像が到着した。

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東京を離れて故郷の京都で暮らし始めた写真家の桃子は、なじみのカフェで、居合わせた大学生たちに卒業制作映画への出演を求められる。桃子は、かつて一緒に暮らした台湾人パートナーがカセットテープに残した台湾華語の言葉を翻訳してもらうことを条件に、引き受けた。留学生たちによって明かされていくパートナーの詩、撮影現場での父親・いっぱくとの再会、電車で起きた旅行中の詩織との出会いを通し、桃子は喪失感と向き合い直していく──。

桃子役を「辻占恋慕」「リバー、流れないでよ」「たしかにあった幻」「平行と垂直」の早織、詩織役を「オーファンズ・ブルース」「オーガスト・マイ・ヘヴン」「猫を放つ」の村上由規乃、いっぱく役を「blue」「NANA」「嵐電」「れいこいるか」の撮影技師・鈴木一博が務める。杉田監督が教員を務める京都芸術大学映画学科の学生たちも参加し、全編京都ロケで撮り上げた。

〈コメント〉

杉田協士(脚本・監督)
私が教員を務める京都芸術大学映画学科では、たとえば上海からの留学生と台北からの留学生が、お互いの言葉のイントネーションを真似して、仲良く笑い合っている光景を目にすることができます。映画学科のあるキャンパスの入口には、戦時中に治安維持法への違反に問われて獄死した韓国の詩人・尹東柱の詩碑が建っていて、いつも誰かが花を供えています。これは2025年の10月に、私が日常を過ごしている、京都の左京区で生まれた映画です。そして何より、この街で育った主演の早織さんの歴史と、語りきれないこの街との関わりを思いながら作った映画です。私は毎日、今これは何を撮っているのだろうと自問しながら、目の前で起きる出来事に胸打たれていました。学生のときに見て、いまでも忘れがたい台湾のホウ・シャオシェン監督の『ミレニアム・マンボ』、中国のジャ・ジャンクー監督の『プラットホーム』、日本の篠崎誠監督の『忘れられぬ人々』(撮影は今作と同じく鈴木一博さん)など、数多くの大切な映画に出会えた東京フィルメックスに、この作品とともに参加できることに、心から感謝しています。

早織(主人公・桃子役)
わたしは、嬉しい、楽しい、幸せや喜びを強く感じるほど、今と同じ時間がやってくることは二度とないと先取りして思い、哀しくなってしまうことがしばしばあります。なぜこのような気質なのか。『十月のうた』の準備から撮影を通して、期せずして言葉にはできなかった自身の心奥に降り立つことになり、また、通常の俳優としてのコントロールを超えて、思いや人生、見えないけれど在るものが映画に刻まれました。ありがとうございます。

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「十月のうた」

出演:早織、鈴木一博、村上由規乃
脚本・監督:杉田協士
プロデューサー:杉田協士、槻舘南菜子 撮影:鈴木一博
ヘアメイク:松村妙子 衣裳:早織 編集:大川景子 整音:松野泉
カラーグレーディング:田巻源太 音楽:SKANK/スカンク
2026年/日本/80分/カラー/1.85:1/5.1ch
©2026 shiso

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