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第25回上海国際映画祭で最優秀作品賞、最優秀女優賞、最優秀脚本賞を受賞した、熊切和嘉監督と主演の菊地凛子による20年ぶりのコンビ作「658km、陽子の旅」のDVDとBlu-rayが、1月12日に発売される。 本作は『TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM2019』の脚本部門で審査員特別賞を受賞した室井孝介の脚本をベースにしたロードムービー。主人公の陽子(菊地凛子)は東京に住む42歳の独身女性で、就職氷河期世代の在宅フリーターだ。孤独な生活を送る彼女は、20年以上断絶していた...
一本のショートムービーが生み出した家族の物語 家族はひとつの世界だ。その中にいる限り、ほとんどのことは“普通”として受けとめられ、穏やかな日常をおくることができる。しかし、足を一歩外へと踏み出すと、そこには他者と共に生きる、より広い世界が広がっている。家の中の“普通”は一気に“特別”なものへと姿を変え、他者よりも自分自身がそのことにとらわれてしまうことがある。 2015年の「世界ダウン症の日」に合わせてアップされた一本のショートムービーをきっかけに生まれた「弟は僕のヒーロー」は、ダウン症の弟を持...
山崎育三郎が主演するミュージカル『トッツィー』が、1月10日、東京・日生劇場で開幕。前日の9日にゲネプロが披露された。 日本では1983年に公開された映画「トッツィー」(82)。「クレイマー、クレイマー」(79)でアカデミー賞主演男優賞を受賞したダスティン・ホフマンは再びオスカーにノミネート、ヒロインのジェシカ・ラングは助演女優賞を受賞した。ちなみに83年のキネマ旬報ベスト・テンでも読者選出外国映画第1位に選出、日本のテレビでも幾度も放送された、映画ファンにはおなじみの名作。 2019年にミュー...
2023年夏、公開されたシリーズ3作目「キングダム 運命の炎」。2019年の第1作「キングダム」、2022年の第2作「キングダム2 遥かなる大地へ」の3作すべてが興行収入50億円を超え、日本映画界屈指のメガヒットシリーズとなっている。続篇の製作も決定しているこのシリーズだが「キングダム 運命の炎」の魅力とは何なのか? 史上初の中華統一を目指す戦い 実写映画「キングダム」シリーズの原作は、原泰久が2006年から『週刊ヤングジャンプ』に連載中の同名大人気漫画。2013年には第17回手塚治虫文化賞マン...
脚本家になりたい! しかも映画にこだわりたい! 今の日本にそういった脚本家志望者はどのくらいいるのだろう。 振り返れば、映画の歴史はさまざまな技術革新による変化と共に歩んできた。 テレビが普及したときも、DVDやBlu-rayなどの円盤が家庭に受け入れられたときも、そして配信で映画を含むさまざまな「映像」が瞬時に選べるようになった今も、それに関わる態度を常に映画人たちは問われ続けている。 それでも「映画の脚本家」を目指す人たちにとって、「城戸賞」はもっとも眩しい賞である。 1974年12月1日、...
1974年12月1日「映画の日」に制定され、第49回目を迎えた優れた映画脚本を表彰する城戸(きど)賞。本年度の424作品の応募のなかで大賞に選ばれた「捨夏(しゃか)」のシナリオ全文を掲載いたします。 タイトル「捨夏」 鈴木香里 あらすじ  この夏、私が捨てたモノ──。西磨衣子(30)には秘密がある。それは、自宅が足の踏み場もないほどの『ゴミ屋敷』であることだ。誰にも言えなかった秘密が今日、あっけなくバレた。日々のストレスをコンビニ飯や飲酒で発散し続けた結果、積もりに積もった部屋のゴミは、もはや磨...
シルベスター・スタローンが監督・脚本・主演を務め、2010年に第1作が公開された「エクスペンダブルズ」。スタローンを筆頭にジェイソン・ステイサム、ドルフ・ラングレン、ランディ・クートゥアら世界屈指のアクション俳優が集結し、自らを“消耗品軍団”と名乗る傭兵部隊の活躍を描いてきた大人気シリーズだ。過去には、ブルース・ウィリスやアーノルド・シュワルツェネッガー、ハリソン・フォードにジャン=クロード・ヴァンダムら、誰もが知るレジェンドたちも顔を見せ、世界中のファンの心を熱くタギらせてきた。 2024年の...
日本で中国時代劇ドラマのブームを巻き起こしたシャオ・ジャン、ワン・イーボー主演の大ヒット・ファンタジー『陳情令』がBSJapanext(ビーエスジャパネクスト)にて1月4日より無料放送スタート。本作が2020年の日本初放送から今なお多くのファンを生んでロングランヒットを続ける理由は、原作小説やアニメ化作品、キャストの人気が高いだけでなく、一大エンタメ産業に成長した中国ドラマの魅力が詰まった作品だからと言える。 特に本作は80〜90年代に香港で映画・ドラマに携わり、香港返還後は中国ドラマ界でも活躍...
映画には男たちの胸を騒がせる、魅力的な女性が登場する。「男はつらいよ」シリーズで97年の特別篇を含め、計6回寅さんのマドンナになったのが、浅丘ルリ子演じるリリーだ。初登場した「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」(73)では北海道の網走で寅さんと初対面。テキヤの寅さんと、バーやキャバレーで歌う売れない歌手のリリーは、自分たちのように全国を渡り歩く〝根無し草〞の生活は、あぶくのように儚いものだと共感しあう。作品では同じ境遇だからこそ分かり合える二人に、やがて恋が芽生えていく。シリーズのマドンナにはいろん...
主演シルビア・クリステルが60歳の若さで死して早11年。〝エマニエル伝説〞はもはや大過去と思いきや、再公開とはまた良きかな。エロスは根強い。ジュスト・ジャカンの低予算フレンチ・エロス作を、日本で大化けさせたのが、今は亡きヘラルド映画であった。カメラマン出身監督だけに被写体をフォトジェニックに撮る術には長けた。ポルノは観たいけど……、当時の主に20〜40代女性層に対し、文芸もの等に特化した上品な一流館・みゆき座にかけ、ファッショナブルに売るイメージ戦略(籐椅子に座り艶然と微笑むクリステルのポスター...