ジャック・リヴェット映画祭開催、日本劇場初公開の3本も!

フランスを代表する映画作家ジャック・リヴェットの特集上映「ジャック・リヴェット映画祭」が、4月8日(金)〜4月28日(木)にヒューマントラストシネマ渋谷で開催される(全国順次公開)。

 

 

ジャン=リュック・ゴダールやフランソワ・トリュフォーらと並んでヌーヴェルバーグの中心的人物であり、1991年には「美しき諍い女」で第44回カンヌ国際映画祭審査員グランプリを受賞、80歳を過ぎても精力的に活動を続けていたリヴェット。今回上映されるのは、ある時はパリの街、ある時は孤島の海辺が舞台、そして時には空間と時間をも飛び越えてしまう、魅惑的な遊戯に満ちた70〜80年代の傑作5本。なかでも「デュエル」(76)、「ノロワ」(76)、「メリー・ゴー・ラウンド」(81)は日本劇場初公開だ。

「中国女」「ウイークエンド」(ともにゴダール)のジュリエット・ベルト、「ラ・パロマ」(ダニエル・シュミット)や「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」(ルイス・ブニュエル)のビュル・オジェ、「満月の夜」(エリック・ロメール)のパスカル・オジェはじめ、フランス・欧州を代表する女優たちの魅力も凝縮されている。

もちろん全作品デジタル・リマスターで上映。リヴェットが誘う、突拍子もない遊び心が詰まった長くも楽しい映画という旅は、私たちに鮮やかな驚きをもたらしてくれる。

 

【上映作品】

「セリーヌとジュリーは舟でゆく」(1974) Céline et Julie vont en bateau

©︎1974 Les Films du losange

出演:ジュリエット・ベルト、ドミニク・ラブリエ、ビュル・オジェ

公園のベンチで魔術の本を読んでいた司書のジュリーが魔術師セリーヌと出会ったことから始まる奇妙な冒険。「不思議の国のアリス」的迷宮を思わせる冒頭から始まる本作はセリーヌ役のジュリエット・ベルトとジュリー役のドミニク・ラブリエが書き始めた台本から出発し構成された。幻想と現実の境界線を軽やかに飛び越えて自由に入れ替わる主人公たちのユーモラスなやりとりや70年代を象徴するサイケデリックな衣装も楽しく、遊び心に溢れたファンタジーの傑作にしてリヴェットの人気作。

 

「デュエル」(1976) Duelle ※日本劇場初公開

©︎1976 SUNSHINE / INA.Tous droits réservés.

出演:ジュリエット・ベルト、ビュル・オジェ、ジャン・バビレ

現代のパリを舞台に、地上での生を受けるため魔法の石をめぐって太陽の女王と月の女王が対決するファンタジー。リヴェットはジェラール・ド・ネルヴァルの小説に着想を得て、ラブストーリー、犯罪劇、西部劇、ミュージカル・コメディといった内容の〈火の娘たち〉と称した4部作を構想し、本作はその“犯罪劇”にあたる。奇想天外なおとぎ話のような題材を挑戦的なフィルム・ノワールの要素を盛り込んで表現し、超現実的で詩的な美しさを達成した。

 

「ノロワ」(1976) Noroît ※日本劇場初公開

©︎1976 SUNSHINE / INA.Tous droits réservés.

出演:ジェラルディン・チャップリン、ベルナデット・ラフォン

女海賊モラグは弟の仇を討つために孤島の城を占拠する海賊団のリーダー、ジュリアに復讐を誓う。「デュエル」と同様、対決するふたりの女性を描く本作は4部作〈火の娘たち〉の2作目であり西部劇として作られたが、リヴェットの魔術にかかれば時代やジャンルを問わない作品へと変貌する。ブルターニュ沿岸の12世紀の要塞と17世紀に再建された城といった壮観なロケーションで繰り広げられる物語の中で虚構と現実がぶつかり合い、死の舞踏が振り付けられてゆく。

 

「メリー・ゴー・ラウンド」(1981) Merry-Go-Round ※日本劇場初公開

©︎1979 SUNSHINE / INA.Tous droits réservés.

出演:マリア・シュナイダー、ジョー・ダレッサンドロ

ベンジャミン(ベン)は元恋人エリザベスから電報を受け取りパリへ向かうが、そこにいたのは彼女の妹レオだった。ふたりのライバルが「デュエル」「ノロワ」とは異なり今度は男と女になり、謎に支配された舞台で終わることのない追いかけっこが繰り広げられる。レオ役を演じたマリア・シュナイダーやリヴェット自身の個人的な問題により撮影は長引き混乱を極めるも、長編第一作である「パリはわれらのもの」で導入されたテーマを家族間の復讐やパラノイアを絡めメランコリックなミステリーとして見事に再構築した。

 

「北の橋」(1981) Le Pont du Nord

©1981 Les Films du losange

出演 : ビュル・オジェ、パスカル・オジェ、ピエール・クレマンティ、ジャン=フランソワ・ステヴナン

ビュル・オジェと実娘のパスカル・オジェの共演作である本作はリヴェット版現代の「ドン・キホーテ」。ビュルとパスカルは撮影前にリヴェットに渡された「ドン・キホーテ」に魅了されたのだと言う。突然現れた閉所恐怖症の女テロリストのために、彼女の昔の恋人との連絡を引き受ける少女バチストは鎧の代わりに革ジャンを羽織り、馬の代わりにバイク、兜の代わりにヘルメットをかぶってドン・キホーテを演じてみせる。パリの街と符号する双六ゲームの上で、日常を生きながらにして幻想に駆られた俳優たちの身体と、現実の中から立ち現れてくるファンタジーが結びつく興味深い一編。

 

 

「セリーヌとジュリーは舟でゆく」撮影時のジャック・リヴェット

 

「ジャック・リヴェット映画祭」

4月8日(金)〜4月28日(木)ヒューマントラストシネマ渋谷で開催
配給:マーメイドフィルム/コピアポア・フィルム
公式サイト:jacquesrivette2022.jp

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