昭和100年!邦画5社とキネマ旬報が「いま観たい100作品」を厳選――第2回【ブームを作ったあの映画】
「昭和映画」を牽引してきた東宝、松竹、KADOKAWA、東映、日活の邦画5社と大正8年の創刊から映画に伴走してきたキネマ旬報が、来る昭和100年を記念し、昭和映画を代表する100作品を厳選!
6つのジャンルに分け、キネマ旬報誌面では3月号より短期連載をスタートしたが、今回はその第2回となる【ブームを作ったあの映画】をご紹介。
美しい旅情と、家族の絆に涙するシリーズ屈指の感動作 「男はつらいよ 柴又慕情」
1969年に始まり、山田洋次監督×渥美清主演で特別篇を含む全50本作られた国民的シリーズ。「一人の俳優が演じた最も長い映画シリーズ」としてギネス世界記録に認定された。第9作は寅さんの純情物語に、適齢期の娘と子離れできない男やもめの父のエピソードが絡む。風情豊かな北陸で出会うマドンナに吉永小百合、2代目おいちゃんとして松村達雄が初登場。なお、寅さんと歌子の物語は、第13作「寅次郎恋やつれ」でも繰り広げられる。1972年 第46回キネマ旬報ベスト・テン日本映画第6位作品。

松本零士の代名詞! 日本アニメ史に残る名作 「銀河鉄道999」
1979年度邦画配給収入第1位を記録し、傑作の呼び声高い松本零士原作のSFアニメ「銀河鉄道999」。機械の身体をタダでもらえる星に行きたいと願う鉄郎少年が、謎の美女メーテルと共に999(スリーナイン)号で星々を巡る。ゴダイゴの主題歌が流れる落涙のラストシーンは今も語り草となっている。

石原裕次郎の代名詞となった歴史的大ヒット作品 「嵐を呼ぶ男」
石原裕次郎の代名詞となった「嵐を呼ぶ男」(1957)は、暴れん坊の青年がトップドラマーにのし上がっていく娯楽大作。スティック片手に「♪おいらはドラマー」と歌い出す裕次郎のカッコよさに痺れる。渡哲也、近藤真彦主演で2度もリメイクされている。

戦国時代にタイムスリップした自衛隊一個小隊の歴史SF大作 「戦国自衛隊」
「戦国自衛隊」(1979)は半村良の小説を映画化したSFアクションで、青春群像劇としても若年層のハートをつかんだ作品。400年前にタイムスリップした自衛隊一個小隊が、近代兵器を使った戦術で戦国の世を勝ち進むが……。主演の千葉真一がアクション監督も務め、壮絶な戦闘シーンが話題になった。福井晴敏が原作を書いたリメイク版も誕生。

一世を風靡したクレイジーキャッツの無責任シリーズ第1弾 「ニッポン無責任時代」
天下無敵の無責任男が、ゴマすり作戦やお色気作戦を繰り出し、スピード出世していく。「若い季節」(1962)の古沢憲吾が監督したサラリーマン喜劇「ニッポン無責任時代」(1962)は、『スーダラ節』や『無責任一代男』など軽快なメロディと、底抜けに明るい不謹慎さ、はじけたパフォーマンスでドル箱シリーズに。

キネマ旬報誌面では、当時の貴重な記事の再録もあり、今回の企画の見どころでもある。
第2回【ブームを作ったあの映画】からは「男はつらいよ 柴又慕情」をピックアップ。公開時の1972年7月上旬号から、渥美清、山田洋次、キネマ旬報編集長・白井佳夫の鼎談を掲載。
シリーズ9作目にあたる本作より、亡くなった森川信から松村達雄が“おいちゃん”役に起用(第13作まで務める)されたところから話がスタート。役者として完成を極めた森川氏が無に帰してしまうことの淋しさを語る渥美清に、大衆演劇の伝統を引き継いできた森川氏からもっと話を聞きたい、知りたいことがあったと惜しむ山田洋次。話はそこからシリーズを重ねていく中で寅さんのキャラクターに少しずつ変化が見えてきたことに言及。渥美清は、寅さんは良寛かホテイ様のようになるだろうと語っているが、この後も渥美清演じる寅さんは旅を続け、シリーズを重ね、1995年の第48作まで続くことになるのだが、この当時のふたりは想像できたであろうか。時を経た今だからこそ、感慨深いものがある。ぜひその詳細はキネマ旬報4月号でご確認いただきたい。
同時代を生き、懐かしさをもって触れてくれるのもよし、その時代を知らない世代の人たちが初めて触れるキッカケになるもよし、映画が人々を熱狂させ、映画館の入場者数が10億人を超えたといわれる昭和の時代を彩った作品との素晴らしい出会いがありますように。
次回は、【監督の手腕にうなる一本】。4月下旬に公開予定です。
なお、厳選された100作品すべては、キネマ旬報公式Webサイトに掲載されています。
■名作発掘!昭和100年、いま観たい映画 公式サイト:https://kinejun.jp/showa100
■キネマ旬報4月号の詳細は KINEJUN ONLINE SHOP
