河井真也と小林武史の出会いが「スワロウテイル」製作の大きな転機となる――〈あの懐かしの映画を語ろう2〉第1回後編

キネマ旬報YouTubeチャンネル〈あの懐かしの映画を語ろう2〉の第1回の後編が3月27日(金)より配信が開始。前回に続き、フジテレビなどでヒット作から単館系まで数多くの作品を手掛けた河井真也氏に、「Love Letter」の製作から「スワロウテイル」へ続く軌跡を語っていただいた。

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前回は、岩井俊二との出会いから「スワロウテイル」を製作するためのステップとして「undo」「PiCNiC」の製作、そして八方塞がりの中で無理に無理を重ねた「Love Letter」の製作のメドが付いたところまでを河井氏に語っていただいた。そして後編、中山美穂、豊川悦司などの出演者、撮影が10月から開始されることなどが決定するが、ここでまた“事件”が発生する――。

そもそも「Love Letter」は、当初テレビでは視聴率が取れないと判断された作品であり、シネスイッチ銀座での上映を前提とした1億円規模の映画として再度練り直したもの。それでもフジテレビは製作費を出さない、中山美穂の事務所からも出演はNG、最後の頼りとなる、“困った時のポニーキャニオン”という手も止められながら、キングレコードからビデオ化権のMGというかたちで製作費を工面するなど、強行突破で製作まで漕ぎ着けた作品。

今になってみれば中山美穂の代表作であり、豊川悦司の人気を決定づけ、岩井俊二の長編デビュー作にしてその才能を知らしめた「Love Letter」が生まれたのは、河井氏の剛腕、辣腕ぶりに他ならないが、当時在籍していたフジテレビからしてみれば看過できない“スタンドプレー”だったに違いない。それは河井氏本人も語るように、何かあるだろうと覚悟はしていたそうだが、10月のクランクインを目前にした7月1日付で、編成部への異動というある種の懲罰人事というかたちで河井氏に降りかかってしまう。とは言え、実際は河井氏が関われなくなったものの製作自体は続行を認められ、1年ほど頭を冷やしてくればまた映画部に復帰させるという、温情人事だったという。当時フジテレビの編成部といえば、エリートの出世コースだったそうなので、それまでの河井氏の実績がいかに凄いものであったかが分かるエピソードだろう。

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かくて、「Love Letter」は河井氏の手から離れながらも無事に完成し、高い評価を得る訳だが、河井氏としてはあくまでも「スワロウテイル」に至るまでのひとつのステップという位置づけは変わらず。作品評価は高い一方で、日本での興収は約4億円と大ヒットとは言えず、5億円規模の作品を任せられる監督であることを、フジテレビに証明は未だできない状況だった。

そんな中で出会ったのが、小林武史。当時は小室哲哉と並び“TK時代”と呼ばれるヒットメーカーとして、数々の楽曲、アーティストのプロデュースをしていた小林氏が、Mr.Childrenのドキュメンタリー映画を製作したいと河井氏にコンタクトを取ってきたという。この出会いが「スワロウテイル」へ繋がっていくのだが、映画の製作をさせないために編成部に異動していた河井氏が、ミスチルのドキュメンタリー映画の製作にどうやって関わることができたのか、またそのために会社から課せられたハードルとは――。またまた難題に直面した河井氏がどうやってクリアしていくのか、そして悲願の「スワロウテイル」製作の行方は? ぜひ本編を見てご確認いただきたい。

そして、河井氏による〈あの懐かしの映画を語ろう2〉第2回では、いよいよ「スワロウテイル」の製作について、さらに「リング」「らせん」、また1月に逝去した長谷川和彦監督について語っていただく予定だ。今後もご期待ください!

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「Love Letter」
監督・脚本・編集:岩井俊二
撮影:篠田昇
美術:細石照美
音楽:REMEDIOS
1995年/117分/配給:ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画

Blu-ray ¥6,380(税込) DVD ¥4,180(税込)/FODほか動画配信中
発売元 フジテレビジョン 販売元 キングレコード
©フジテレビジョン

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