≪長篠合戦四百五十年記念映画≫/「長篠」いよいよ公開!

戦国時代、戦の作法を変えたとも言われる織田信長・徳川家康連合軍と、武田軍とが激突した≪長篠の戦い≫。その裏に隠された、武田軍内の武将たちの熱い想いを描く群像劇、映画「長篠」が4月17日より全国にて順次公開される。
甲冑や小道具まで本物志向で作られた、宮下玄覇監督による本格時代劇!

1575年、織田信長・徳川家康の連合軍が武田勝頼率いる武田軍と激突した、≪長篠の戦い≫。この戦によって、当時最強と言われた武田騎馬隊は鉄砲隊を主軸にした織田・徳川軍の前に敗れ、その敗戦によって武田家は滅亡の道を辿る。戦国時代の戦の在り方を変えたこの戦いの前夜、武田家の中ではどんな動きがあったのか。その史実に迫る作品が、本格時代劇映画「長篠」である。
長篠合戦から450年の節目となった2025年に映画を製作したのは、宮下玄覇。戦国時代の歴史、武家茶道、甲冑の研究家もあり、2021年には武田信玄の父・信虎の最晩年を描いた映画「信虎」を、金子修介と共同で監督した彼が、今回は単独で監督を務め、企画・プロデューサー・脚本・美術・装飾、編集、キャスティング、時代考証も担当して、劇中に登場する美術品や小道具の一部を長篠の戦い当時のものを使用するなど、本物志向のこだわりによって戦国時代を映像化している。
武田家を思う重臣たちと、“秘策”を持って現れた秋山夫妻の会話劇

物語は長篠の戦いが始まる直前、美濃国の岩村城代・秋山虎繁(金児憲史)と彼の妻で織田信長の叔母でもある・お艶の方(楊原京子)の元に、信玄の息子・武田勝頼が織田・徳川の連合軍に、長篠で真っ向から戦いに挑もうとしている知らせが届くところから始まる。勝頼の決断に反発して、この戦にどう向き合うべきかを話し合う、今は亡き武田信玄に付き従ってきた重臣たち。戦えば武田家が滅ぶと彼らの想いは一致するが、勝頼の決意を翻すのは難しく、彼らの意見はまとまらない。そこへ秋山とお艶の方が登場し、武田家を存続させるための、ある"秘策"を持ち掛けていく。
信玄の元で幾多の戦いを生き抜いてきた武将たち、それぞれの思惑と覚悟、武士としての誇りとこの窮状を切り抜けるためのアイデア、何よりも武田家を思う彼らの熱い想いが、話し合いの中でぶつかり合う、異色の会話劇となっている。
史実に基づいた物語から見えてくる、長篠の戦いに至るまでの裏側

≪長篠の戦い≫は、黒澤明監督の「影武者」(1980年)などでも描かれてきたが、圧倒的な鉄砲の火力を持つ織田・徳川軍に、武田軍の騎馬隊がなぜ標的になる無謀な正面突破の攻撃を仕掛け、無残に滅んでいったのか。本作はその知られざる武田軍の武将たちの心情を、掬い取ろうとした野心作だ。
戦国史に精通した宮下監督が脚本も手掛けているだけに、武将たちの会話には当時の状況や人物関係を表す、さまざまな人名や地名が出てきて、最初、日本史に詳しくない人にはわかりにくい部分もあるが、やがて勝頼の代になって厳しくなってきた、当時の武田家を取り巻く状況が飲み込めてくると、観る者を緊迫感あふれるドラマに引き込んでいく。
主人公の秋山虎繁とお艶の方は、すでに≪長篠の戦い≫の後の武田家を見据えていて、戦いで生きるか死ぬかよりも、家を守るために何ができるかに目を向けている。重臣たちとは少し違った立ち位置から状況を見ている彼らの視点によって、独自の史実の捉え方を提示している。
主演の金児憲史と楊原京子は実際に夫婦でもあり、互いを信頼して深い愛で結ばれた男女を、さりげない仕草の中に表現していて好演。またエキセントリックな織田信長を、個性派俳優の池田良が演じているのも注目だ。
映像界を代表する一流のスタッフが、骨太のドラマを盛り上げる

前作「信虎」で、第11回マドリード国際映画祭の外国映画部門最優秀監督賞を金子修介と共同で受賞し、第10回ニース国際映画祭では外国映画部門の最優秀オリジナル脚本賞を受賞した宮下玄覇は、歴史の研究者としてリアリティを目指しながら、俳優たちそれぞれのパッションを引き出すことで、密室での会話劇という限定された空間での群像ドラマを、たるみなく描出。戦国武将の人生観とはこうではなかったかと思わせる、熱い作品に仕上げている。
また前作で剃りこみが深い戦国期の月代・鬘を作り上げ、その仕事ぶりが高く評価された特殊メイクアップ・アーティストの江川悦子、世界的にヒットした配信ドラマ『SHOGUN将軍』にも参加したヘアメイクの髙嵜光代、音楽を担当した気鋭の音楽クリエイター・広田公など、超一流スタッフたちが作品に参加。日本の歴史ファンは勿論、時代劇映画ファンにとっても見どころ満載の骨太な作品になっている。
文=金澤誠 制作=キネマ旬報社 制作部(山田)
「長篠」
4月17日(金)より池袋シネマ・ロサほか全国にて順次公開
●2026年/日本/119分
●監督・脚本・製作総指揮・美術・装飾・編集・キャスティング・時代考証・所作指導:宮下玄覇
●特殊メイク・かつらスーパーバイザー:江川悦子
●ヘアメイク:高嵜光代
●音楽:広田 公(HIRO-ON)
●出演:楊原京子 金児憲史
一色洋平 SHIGETORA 小堀正博 池田 良
海道力也 藤木 力 風吹銀次郎 萩田博之 大岩主弥 佐藤俊作 入江ケースケ 坂本三成 中井善朗 奥井隆一 竹下 眞 旭屋光太郎 パラゴンつよし 宇佐美飛龍 加藤 正 JINJIN 山崎 遊 猪野又 健 一色航平 ことぶきつかさ(ナレーター)
配給:ミヤオビピクチャーズ
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