“ブラジルのヴァージニア・ウルフ”クラリッセ・リスペクトル原作。19歳の女性の世界を描いた「星の時」(1985)が4K版で日本初公開
“ブラジルのヴァージニア・ウルフ”と称されたクラリッセ・リスペクトルの小説を原作に、辺境から都会へ出てきた19歳の女性を描いた「星の時」(1985)が、4K版で8月21日(金)より新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国にて順次公開される(日本初公開)。予告編が到着した。

「私はタイピストで、処女で、コーラとホットドッグが好き」。ブラジル北東部の貧しい地からサンパウロにやってきたマカベーアは、身寄りがなく、読み書きもままならず、世間を知らない。安月給で働き、3人の女と粗末な下宿を共有している。自身の貧困に無自覚で、恋に憧れ、映画スターを夢見る彼女は、ある日占い師に「あなたの人生は変わる」と告げられた。そして“運命の瞬間”は思いがけない形で訪れる──。
監督のスザーナ・アマラウは、ブラジルにおける女性監督の先駆者。9人の子を育てたのちニューヨーク大学で映画制作を学んだ異色の経歴を持ち、50代で初長編となる本作を完成させた。主人公マカベーアの描写については「ただ“人生”を見ていただけ。自分自身の、そして毎朝5時に家を出るたくさんの女の子たちの」と語っている。
ブラジリア映画祭で主要6部門を受賞し、第36回ベルリン国際映画祭では主演マルセリア・カルタッショが銀熊賞(女優賞)を獲得。「からっぽの彼女のみすぼらしい生の中に、哀しくも美しい詩情が浮かび上がる。いつしか、我々は彼女に心を奪われていく」(The Washington Post)、「この映画には、胸を締め付ける痛みと“啓示”にも似た特別な力がある」(The New Yorker)と評され、近年ではブラジル映画批評家協会により《ブラジル映画史上ベスト100》に選出されている。「セントラル・ステーション」の名優フェルナンダ・モンテネグロが占い師役で出演しているのも見どころだ。
なお第8回日本翻訳大賞を受賞した原作書『星の時』(福嶋伸洋訳/河出書房新社)が、文庫化されることも決定(7月7日発売)。併せてチェックを。
「星の時 4K」
監督:スザーナ・アマラウ
出演:マルセリア・カルタッショ、フェルナンダ・モンテネグロ
原作:クラリッセ・リスペクトル
1985年/ブラジル/96分/1:1.43/カラー/ステレオ
原題:A Hora da Estrela 英題:Hour of the Star
配給:alfazebet
