マーダーミステリーのスリル&没入感!中国発の謎解き異世界ファンタジー『大奉打更人―正義の銅鑼と王朝の闇―』に沼る理由

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近年、中国でも人気ジャンルとなっている異世界ファンタジーの大ヒット作『大奉打更人(だいほうだこうにん)―正義の銅鑼と王朝の闇―』のDVD-BOX 3が6月3日に発売される(レンタルDVD同時リリース)。本作のヒットの理由は、『蒼蘭訣~エターナル・ラブ~』で若手トップスターに躍り出たワン・ホーディーと、Netflix配信『逐玉: 翡翠の君』で今や海外でも人気に火がついたティエン・シーウェイが共演したこと。さらに、中国で絶大な人気を誇る推理ゲーム“マーダーミステリー”の設定が効果的に使われていることだろう。

中国で「劇本殺」と呼ばれる “マーダーミステリー”は、複数の参加者が台本を読んで割り振られた登場人物になりきり、互いの会話を通して情報を集めながら事件の真相を解く体験型ゲーム。友達同士でプレイできる専用スタジオが数多くあり、『大奉打更人―正義の銅鑼と王朝の闇―』の主人公・楊凌(ワン・ホーディー)も飲み会の後、同僚と一緒に“マーダーミステリー”の店へ行ったことから、台本に書かれた古代の異世界に入り込むことになる。そこから始まる物語は従来の作品とは一線を画す新奇なスリルと没入感をたっぷり感じられるミステリー。思わずハマってしまうその面白さや見どころについて解説したい。

ロールプレイで進行する謎解き&ラブストーリー

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冒頭で“マーダーミステリー”の物語世界に入った楊凌が演じることになる人物は、架空の古代王朝・大奉に生きる庶民の男、許七安。現実世界では不動産会社のセールスマンだが警察官を志したこともあり事件推理を得意とする彼は、この世界で警備と警察の役割を担う“打更人”となって不思議な事件の数々を捜査することになる。現代の社畜生活から離れ異世界で絶体絶命の状況から生き延び、逆転劇を経て成功していく──そんな異世界もののお約束展開の中で、“マーダーミステリー”のようにロールプレイをしながら謎解きのミッションをこなしていくのだ。

当初、許七安は税銀を横領した容疑者となった叔父のせいで獄中にいたが、事件の調書を読み解き関係者との会話からヒントを得て、見事に事件の真相を突き止め叔父の潔白を証明する。そして、その推理力とポテンシャルを買われてこの世界の規律を守る“打更人”のメンバーに抜擢されると、超人的な戦闘力を伸ばして、まるで“戦隊ヒーロー”のように活躍していく。一方で現代の知識をフル活用した彼が、錬金術師や詩人として一目置かれるようになるのも面白い展開。しかも途中から圧倒的な“チート能力”を得た彼は、活動の舞台をどんどん広げていく。

また、この物語においては、許七安が現代人の楊凌であるという大きな秘密を隠して生き抜いていくこともポイントだ。“マーダーミステリー”ではあえて嘘をつくというテクニックがある。現実世界では若手トップのセールスマンだったことから口の立つ許七安は、時にはうまく嘘をついたり身分を偽ったりすることで、危機をすり抜け出世のチャンスを得て、策謀が渦巻く政治の荒波をも渡っていく。一方で、可愛らしいヒロインの臨安公主(ティエン・シーウェイ)が許七安を騙すゲームチェンジャーとして登場するのも見どころに。嘘から始まった2人の関係はまさかの恋愛へと発展し、ストーリーは予想外の方向へと導かれていく。

ゲームの枠をはみ出して心に訴える人間ドラマ

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さらに、本作を面白くしている特色を挙げるなら、時代劇ファンタジーにレトロ・フューチャー的なテイストが加味されていることだろう。劇中には、現代のスマホのように通話やグループチャットができる“玉石小鏡”というガジェットが登場し、これを手に入れた許七安は“天諦会”という謎の組織のメンバーとなり潜入捜査を始める。ここでは匿名で活動するメンバーの正体を会話と推理を通して暴いていくという、言わば“人狼ゲーム”のような展開が待ち受ける。

なお、許七安を取り巻く登場人物たちはゲームの観点から見れば、物語を進行させるためだけに存在するNPC(ノン・プレイヤー・キャラクター)と言える。しかし、その世界で生き始めた許七安にとって一緒に日常を過ごす家族、上司、仲間、恋人は、ともに喜怒哀楽を味わう掛け替えのない存在となっていく。このようにただのNPCに終わらない脇役たちとの人間ドラマが丁寧に描かれることで、私たち視聴者も許七安が始めたこの物語により深く没入していくことができるのだ。

謎が謎を呼び時空を越えて広がるミステリー

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後半では、視聴者がこの異世界をより俯瞰的に捉えることができるようになり、許七安が次々と捜査してきた事件の裏には過去が起点となる大きな謎があること、それがこの世界に生きる人々の時間と記憶に強く影響していることが分かってくる。許七安が度々お金を拾う運の良さを持っているのも、彼の脳裏に大奉の政局を決めた過去の大戦の記憶がよみがえるのも、全ては驚きのラストに向けての伏線となっているのだ。

“マーダーミステリー”におけるゴールとは謎の答えを出すことだけではなく、自分の役割と目的を果たすこと。この物語の中で楊凌=許七安に与えられた真の使命、本当の役回りとは何なのか? 最終話を見届けた後は、すでに制作が発表されているシーズン2が待ちきれなくなるはずだ。

文=小酒真由子 制作=キネマ旬報社・制作部(山田)

「大奉打更人―正義の銅鑼と王朝の闇―」

DVD-BOX の詳細情報はこちら

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●DVD-BOX 1(7枚組/1~14話収録)
★封入特典★
リーフレット(ワン・ホーディー ソロカット、その他場面写真掲載)

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●DVD-BOX 2(7枚組/15~28話収録)
★封入特典★
封入特典: リーフレット(メインキャストを含むクランクアップ&場面写真掲載)

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●DVD-BOX3(6枚組/29~40話+特典映像収録)
★封入特典★
ワン・ホーディー コメント動画、メイキング、本国版予告編、日本版予告編
★特典映像★
リーフレット(作品登場人物相関図収録)

【DVD-BOX】全3BOX/各17,600円(税込)

●2024年/中国/全40話
●原作:売報小郎君『大奉打更人』
●統括プロデューサー:リウ・ウェンヤン
●プロデューサー:ガオ・ユエン
●撮影:ツァオ・イエンリアン
●美術:シャン・チャンビン
●衣装デザイン:ファン・スージョー
●アクション監督:ワン・チョン
●音楽:フー・シャオオウ
●視覚効果:環球墨非
●脚本:ヤン・ユーチェン
●監督:ドン・コー

●出演:ワン・ホーディー、ティエン・シーウェイ、リウ・イージュン、イエン・ズードン、ユエ・ヤン、チャン・シャオチェン、マオ・シャオフイ、ファン・シュアイチー、リウ・メイハン、チャン・ミャオイー

●発売元:ポニーキャニオン/ポリゴンマジック
●販売元:ポニーキャニオン
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