映倫 次世代への映画推薦委員会推薦作品 —「わたしの聖なるインド」

路上を占拠した女性たちが体現する勇気と希望

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14億6390万人が暮らすインド。その約80パーセントがヒンドゥー教徒だ。2014年から10年以上にわたって、ヒンドゥー至上主義の非営利団体を支持母体とする右派政党インド人民党(BJP)が第1党の座にあり、ナレンドラ・モディが首相を務めている。

「わたしの聖なるインド」は、2019年12月、市民権改正法(CAA)の成立に反対する学生たちの抗議現場に居合わせたノウシーン・ハーン監督が混乱の中で撮影した映像から始まる。学生たちを鎮圧するため、母校であるジャミア・ミリア・イスラミア大学を破壊した警察の行為にショックを受けたハーン監督は、その後、イスラム教徒居住区のシャヒーン・バーグの路上で大規模な座り込みが始まったことを知る。さらに、女性たちが力強く連帯し、闊達に意見を交わす姿を見ながら、イスラム教徒である自身のアイデンティティに向き合い直す。

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「イスラム教徒が多数派の国で迫害を受けた人々を助ける」ことを目的にパキスタン、バングラデシュ、アフガニスタンから14年12月31日以前に入国した宗教的少数派の難民たちに市民権を認めたCAA。しかし、それは表向きの理由でイスラム教は恣意的に排除された。そのため、証拠書類の提出が必要な国民登録簿と併用されると、多くのイスラム教徒が市民権を失うのではと懸念されている。女性たちがシャヒーン・バーグに集まった背景には学生たちへの暴力に対する怒りだけでなく、「自分の国」だと思っていた場所から排除されるかもしれないという危機感があった。夜間に外出することも珍しかった彼女たちが夜通し集い、香港の雨傘運動とも、「女性の休日」(24)で描かれたアイスランドの事例とも違うプロテストの日々を過ごす姿に勇気づけられる。

文=佐藤結 制作=キネマ旬報社・山田 (『キネマ旬報』2026年6月号より転載)

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「わたしの聖なるインド」

【あらすじ】
2019年12月、インドで近隣3カ国からの宗教的少数派の難民に市民権を与える市民権改正法(CAA)が成立。ニューデリーのジャミア・ミリア・イスラミア大学では、イスラム教徒を排除したこの法律に反対する学生たちが抗議の声をあげる。その後、警察が彼らを制圧すると、シャヒーン・バーグ地区の路上に学生たちの家族らが座り込み、粘り強い運動が始まる。


【STAFF & CAST】
監督・撮影・編集:ノウシーン・ハーン
音楽:クシュ・アシェール
配給:きろくびと

2023年/インド/74分/Gマーク
6月6日(土)より全国にて順次公開
©2023 Nausheen Khan

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