悲しみの共有劇「エレノアってグレイト。」スカーレット・ヨハンソン監督のコメントなど公開

スカーレット・ヨハンソンが長編監督デビュー作として、ホロコースト生還者である親友を亡くした老婦人エレノアと、母を亡くしたばかりの学生ニナとの交流を描いた「エレノアってグレイト。」が、6月12日(金)より新宿バルト9ほか全国で順次公開される。監督とキャストが作品を語るショート動画、監督インタビューテキストなどが到着した。

〈スカーレット・ヨハンソン監督インタビュー〉

──本作は友情の物語でもあり、悲しみの物語でもありますね。

すべての⼈間に共通することは、誰もが悲しみを経験するということです。私たちは皆、悲しみを経験することで繋がっています。そして、他者との繋がりは、悲しみを癒すための最も強⼒な⼿段でもあります。最終的に、エレノアの嘘は、亡くなった素晴らしい友⼈の存在を世界と共有する術になります。そこに彼⼥はある種の希望を⾒出すのです。

──本作では、エレノアが亡き親友の体験を自分ごとのように語り騒動が巻き起こります。エレノアにとっての真実とは何だったのでしょうか。

真実と現実という問いは、常に私の興味をそそってきました。エレノアは⼼の中で、「仮にほとんど善意ゆえに語るのだとしたら、それは本当に嘘なのだろうか」と⾃問しているはずです。彼⼥は悲しみと孤独、そして⼼の⽀えである友⼈への深い愛情に突き動かされて、この物語を語ります。それがエレノアの立場です。しかし、状況は複雑であり、観客がそれぞれの判断を下すことになります。この映画を観て、何か興味深い会話が⽣まれることを願っています。

──今回の作品では実際にホロコースト生存者の、職業俳優ではない方々が出演されているとのことですが。

実現できるかどうかは分かりませんでした。現在、世界にはホロコースト⽣存者が約245,000⼈いますが、ニューヨーク市にいる人たちははるかに少ないです。参加してくれる⼈がいるかどうかも分かりませんでした。ショア財団やコミュニティの人たちに連絡を取り、この物語の⼀部に協⼒してくれる⼈がいないか尋ねてまわりました。そして本当に幸運なことに、このアイデアに興味を持ってくれた、ちょうどよい人数の⽣存者のグループを⾒つけることができたのです。彼らは信じられないほどの忍耐⼒を持っていました。職業俳優として映画のセットに⾝を置いてきた⼈の多くは、彼らが⻑時間座り、人の話に耳を傾け続けたような忍耐はありません。必要なことをこなすのにたった2⽇間しかなかったため、私はそれなりのストレスを感じていました。しかし、彼らは素晴らしい⼈たちで、この映画に参加したいと思ってくれたことは本当に幸運でした。彼らの物語と魂を、美しく、ありのままに捉えることができていればと思います。

〈識者コメント〉
グリーフケアとか、喪失学とか、いろいろ認知されるようになったけれども、大震災や大事故でない限り、小さな喪失は他から記憶してもらえない。だから喪の旅はずっと孤独だ。おのおのが抱きしめている喪失について、少し涙しながら、時に笑いながら、皆が話せるような社会になればいいという思いを込めて、ヨハンソンはこの映画を撮ったに違いない。
──武井彩佳(学習院大学・国際文化交流学部教授)

ジューン・スキッブ&スカーレット・ヨハンソン@カンヌ2025【©OlivierVigerie】.jpg
2025年カンヌ国際映画祭での主演ジューン・スキッブと監督スカーレット・ヨハンソン ©OlivierVigerie

Story
長年連れ添った親友ベッシーを亡くして心に穴が空いたエレノア(ジューン・スキッブ)は、故郷のニューヨークへ戻る。だが娘はよそよそしく、孫もなにかと忙しい。そんなある日、出かけた先でホロコースト生存者の会に迷い込んだ彼女は、ホロコーストを体験したベッシーの半生を自分のものとして語ってしまった。すると、その話に感銘を受けたジャーナリスト志望の学生であり母を亡くしたばかりのニナ(エリン・ケリーマン)が、エレノアに接近。二人は友情を育むが、悪気のない嘘は大騒動に発展してしまう──。

「エレノアってグレイト。」

監督:スカーレット・ヨハンソン
脚本:トリー・ケイメン
出演:ジューン・スキッブ、エリン・ケリーマン、ジェシカ・ヘクト、リタ・ゾーハー、キウェテル・イジョフォー
キャスティング:エレン・ルイス、ケイト・スプランス
音楽監修:ランドール・ポスター
音楽:ダスティン・オハロラン
衣装デザイナー:トム・ブローカー
編集:ハリー・ジャージアン
プロダクションデザイナー:ハッピー・マッシー
撮影:エレーヌ・ルヴァール
エグゼクティブプロデューサー:ルーシー・キース、ジェニー・ハルパー、ピーター・ソビロフ、ミシェル・ソビロフ、アンドリュー・カロフ、アンジェラ・カードン、ジェイミー・ヒース、スティーヴ・サロウィッツ、ジャスティン・バルドーニ、ラージ・キショー・カワー、エズラ・ガベー、ジャン・マカドゥ、シャルロット・ドーファン、ロバート・ケッセル、スーザン・リーバー、トリー・ケイメン、エリン・クレシダ・ウィルソン
プロデューサー:スカーレット・ヨハンソン、ジョナサン・リア、キーナン・フリン、トゥルーディ・スタイラー、セリーヌ・ラトレイ、ジェサミン・バーガム、カラ・デュレット
2025年/アメリカ/ビスタ/カラー/98分
配給:東映ビデオ
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公式サイト:https://eleanor2026.com

スカーレット・ヨハンソン初監督作。嘘から始まる世代を超えた交流劇「エレノアってグレイト。」

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