「よき谷の物語」ホセ・ルイス・ゲリン監督ならびに蓮實重彥、小森はるから著名人のコメント公開

「シルビアのいる街で」(2007)などで知られるスペインの異才ホセ・ルイス・ゲリン監督が、バルセロナ郊外のバルボナ地区に暮らす人々を捉えたドキュメンタリー「よき谷の物語」が、7月3日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開される。著名人のコメントならびに監督の日本向けメッセージが到着した。

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〈コメント〉

蓮實重彥(映画評論家)
二十一世紀の『わが谷は緑なりき』として撮られたこの作品は、審美性からは思いきり遠いショットからなっていながら、そのことごとくが息を飲むほど美しい。何度も見直すことで、その美しさに馴れてほしい。

小森はるか(映像作家)
なぜここで暮らしているのか
バルボナの住民たちが自ら表現し、映画に託している姿に魅了された
彼らはこの地で旅立っていった人の存在を忘れず、
未来にも花を咲かす植物たちを愛する
また奪われたとしても
取り残された土地にこそ、集合的記憶は紡がれているのだと堂々と残してくれた
そしてこの記録は、バルボナの街の外側を、
私たちの置かれている世界の現在を映し出している

春ねむり(ミュージシャン)
暮らすこと、それにまつわるすべての営み。目覚める。包まる。笑う。話す。怒る。飛び出す。着る。切る。つくる。歌う。踊る。歩く。泣く。それらは表現という行為でありながら、「伝える」ことを前提にはしていない。けれどそれを感知し触れる主体は受け取ることや感じることができ、川のきらめくテクスチャーと鉄道の車輪の摩擦の金属音に、わたしは人の暮らしの鈍く美しい光を見る。

飯岡幸子(撮影監督)
踊ること、歌うこと、言葉を交わすこと、想像すること、植物に話しかけること。その土地、そこに生きている一人一人がどれほど小さく大きいか、その瞬間がどれだけ歴史そのもので、強く、弱いか。静かに耳を傾けるような映画だ。その映画が敬意と美しさに満ちていることに心底感動する。

リム・カーワイ(映画監督)
待ちに待ったホセ・ルイス・ゲリンの10年ぶりとなる新作『よき谷の物語』。
静謐でありながら生命力あふれるショットと劇映画的な構成を通して、世界の現在を浮かび上がらせるドキュメンタリー映画だ。
どこまでも開かれたまなざしが、移ろいゆく世界の本質を捉えた瞬間、その詩的な崇高さに心が震え、思わず涙がこぼれた。

大川景子(映画編集)
オーディションに集まった人々が語る、人生の断片。この映画のすべてのシーンはそこから育って生まれたもの。そこには魂が写っていて、人も植物も根を張る場所を求めて、逞しく美しく生きている。様々な生命体のざわめきに耳を傾けるこの映画が大好きだ。

ホセ・ルイス・ゲリン監督のメッセージ
この作品が日本で公開されることがとても嬉しいです。
映画をつくることはニュースや報道とは違います。私たちには常に普遍的な視点があると考えるからです。
たとえ世界の片隅を描いても、そこに普遍的な広がりをつくりだすことができる。
だからこそ世界中の誰もが共感できるはずだと、少なくとも私はそう信じています。
気に入ってもらえることを願っています。

Story
開発から取り残された陸の孤島であり、大都市の近隣ながら自然に恵まれたバルボナ地区。20世紀半ばより住み着いた人々と新たな移民たちが、文化は異なれど共生している。子どもたちは川で遊び、誰もがよく食べて飲み、歌って踊り、ひとときの安らぎを得る。そんな都会のオアシスに鉄道増設の計画が持ち上がり、一部の住民は立ち退きを迫られる──。

「よき谷の物語」

監督・脚本・編集:ホセ・ルイス・ゲリン
撮影:アリシア・アルミニャーナ
原題:HISTORIAS DEL BUEN VALLE(英題:Good Valley Stories)
スペイン、フランス/125分/カラー/ヨーロピアンビスタ
提供:マーメイドフィルム 配給:コピアポア・フィルム 宣伝:マーメイドフィルム、VALERIA
後援:スペイン大使館、インスティトゥト・セルバンテス東京
協力:山形国際ドキュメンタリー映画祭、カタルーニャ政府観光局
Orfeo Iluso - Perspective Films - 3CAT - Los Ilusos Films - Los Films de Orfeo © 2025
公式サイト:goodvalleystories.jp

異才ホセ・ルイス・ゲリンがバルセロナ郊外の集落にカメラを向けた「よき谷の物語」

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