𠮷田ワールドはどこか乾いていて、安いハッピーエンドで終わらせない――「四月の余白」〈あなたに観てほしい、日本映画がある 第7回〉
キネマ旬報YouTubeチャンネルにて配信している〈あなたに観てほしい、日本 映画がある〉。現在公開中の日本映画の中から、特にオススメしたい1作品を厳選してその魅力を紐解いていくレビューの第7回が、7月2日より配信。今回取り上げた作品は、𠮷田恵輔監督最新作、痛みを理解できない少年と、過去の罪を背負いながら少年を更生させようとする男を描く「四月の余白」。

𠮷田監督の「純喫茶磯辺」(2008年)を大学の講義で見せた時のことから話を始める山田氏。学生の中に、『女性蔑視です』と少し怒っていた人がいたというところから、自身が数多くプロデュースしてきたロマンポルノへ。当時、女性蔑視だと散々叩かれたが、今は女性たちの支持を集めている事実に時代が変わったことを実感するという。
しかし、“女性蔑視の作品”については以下のように強調する。
『ここでわかっていただきたいのは、女性蔑視な男が映画に出て来たとしても、作り手が女性蔑視なわけではないのだ。人を蔑視する人間に映画など作れない。作ったとしても目も当てられない愚作だろう。』
そして、𠮷田監督作品の「愛しのアイリーン」など女性蔑視と受け取れる作品について擁護すると共に、高く評価。さらに山田氏は、監督作をおおざっぱに分類していき『どこか乾いていて、安いハッピーエンドで終わらせない』という𠮷田ワールドの共通項を挙げて、今回の「四月の余白」に話を繋げていく。

「四月の余白」は、人の痛みを理解できずに、一度キレると度を越した暴力を躊躇なく振るう中学生の澤海斗(上阪隼人)と、澤を更生させようと文字通り体を張り体罰も辞さない、元半グレで現在は更生施設を運営している男・西健吾を軸に、「人は変われるのか」というテーマに迫る人間ドラマ。「空白」「ミッシング」など、目を背けたくなるような、人のどうしようもない感情や姿を真正面から描いた作品の系譜にある本作について、西健吾を演じる一ノ瀬ワタルのこと、さらに終盤にかけて西を追い詰める“正義の仮面を被った悪意”について語っていく――。
過去に冒した罪は変えられないという厳しい現実と、変わろうとする人々の苦闘と葛藤、そして希望を描いた本作「四月の余白」を、山田氏のレビューと共にぜひ劇場でご覧いただきたい。
※本番組は東芝の「音声合成技術 ToSpeak™」により生成された音声で読み上げられ、視聴の幅を広げて音声コンテンツとしても楽しむことができる構成となっている。


「四月の余白」
監督・脚本:𠮷田恵輔
音楽:世武裕子
出演:一ノ瀬ワタル
夏帆、上阪隼人、篠原篤、占部房子、山﨑七海、和田庵、髙田万作、松木大輔、小沢まゆ、パトリック・ハーラン
配給:アークエンタテインメント
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公式サイト:https://shigatsu-yohaku.com/
6月26日(金)より全国公開
