中野量太の新境地である。人の体温くらいの氷があるとすれば、これはそんな味わいのある映画だ──「私はあなたを知らない、」〈あなたに観てほしい、日本映画がある 第8回〉

キネマ旬報YouTubeチャンネルにて配信している〈あなたに観てほしい、日本映画がある〉。現在公開中の日本映画の中から、特にオススメしたい作品を厳選してその魅力を紐解いていくレビュー動画・第8回が、9月4日より配信。今回取り上げた作品は、中野量太監督、坂口健太郎主演、愛する人を殺した孤独な青年と、母を殺された娘の13年の時を経た対峙を描くヒューマンサスペンス「私はあなたを知らない、」。

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「湯を沸かすほどの熱い愛」で映画賞を席巻した中野量太監督が10年ぶりの完全オリジナル脚本で挑む本作について、レビューする山田氏は冒頭――

中野量太の新境地である。人の体温くらいの氷があるとすれば、これはそんな味わいのある映画だ。

そして、中野監督の足跡を紐解いていく。〈若手映画作家育成プロジェクト〉から頭角を現し、尾野真千子がいい味を出していたという「琥珀色のキラキラ」(2008)、国際的にも高く評価された「チチを撮りに」(2012)よりも好きだという「沈まない三つの家」(2013)、同じ年に公開された「お兄チャンは戦場に行った⁉」(2013)など、様々な“家族のかたち”を軸にした各作品の印象的なシーンを振り返り、本作について語っていく。

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天涯孤独の男・西山夕平は決まったルーティンで日々を過ごす。誰とも交わらず黙々と工場で働き、近所のパン屋で買う食パンが唯一の楽しみ。そんな彼が新たに工場で働くことになったひとりの女性・東浜紗月と出会い、次第に生きる喜びを見出していく。紗月がシングルマザーであることも分かり、彼女の5歳の娘・朝子も紹介された夕平は、一層二人との仲を深め家族の一員のようになっていくのだが、とあることからその関係は悲劇的な結末を迎えてしまう……。

山田氏は3人の関係が崩れるきっかけになった出来事を“レッテル貼り”という言葉で表現する。そのために紗月は夕平の愛を知らず、さらにその娘の朝子も自分の母を殺した夕平のことを理解することはないと言う。

また、本作のタイトル「私はあなたを知らない、」の最後にある「、」にどんな意味があるのか想像を巡らせてみる――。様々なことを考えさせられる本作について、山田氏のレビューと共にぜひ劇場でご覧いただきたい。

※本番組は東芝の「音声合成技術 ToSpeak™」により生成された音声で読み上げられ、視聴の幅を広げて音声コンテンツとしても楽しむことができる構成となっている。

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「私はあなたを知らない、」

原案・脚本・監督:中野量太
音楽:世武裕子
撮影:岩永洋
照明:⾕本幸治
録⾳:猪股正幸
美術:黒川通利
出演:坂口健太郎、早瀬憩、堀田真由、倉田瑛茉
    滝藤賢一、原田美枝子
配給:クロックワークス
©IDKYPs./Pyramide Productions

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