ジャン=ピエール・メルヴィル監督×リノ・ヴァンチュラ主演「ギャング」(1966)が4K版で復活
ジャン=ピエール・メルヴィル監督×ジョゼ・ジョヴァンニ原作×リノ・ヴァンチュラ主演のフィルム・ノワール「ギャング」(1966)が、4Kリマスター版で復活。11月27日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMA、シネマリスほか全国で順次公開される。メインビジュアル、特報映像、山田宏一の推薦コメントが到着した。

大物ギャングでありながら、誰よりも仁義を重んじるギュスターブ・ミンダ、通称ギュ(リノ・ヴァンチュラ)が脱獄し、元情婦のマヌーシュの住む暗黒街に帰ってきた。マヌーシュと仲間のアルバンの世話になるギュだったが、辣腕のブロ警部が執拗に彼を追う。危険が迫る中、ギュは新しい生活のために、最後の大きな賭けを決意する……。
山田宏一(映画評論家)のコメント
『ギャング』(原題は『第二の息吹き』)。
脱獄から逃走、強盗、殺し合いに至るまで、日付と時刻付のドキュメンタルな事件簿といった構成のギャング映画だ。
ギャング出身の作家、ジョゼ・ジョヴァンニの原作、フランス暗黒街映画の名匠ジャン=ピエール・メルヴィル監督の呪われた名作である。呪われた? なにしろ、2時間半の大作を30分もカットされて日本公開されたのだから。今回はもちろん完全版の上映である。
暗黒街の男たちが出入りするナイトクラブの、モノクロだが華麗な踊り子たち。
夜の世界とは対照的な白昼の山道の壮烈な襲撃シーン。
組織の男たちと一匹狼のにらみ合い。
脱獄したものの獄中でぐっと老けこんだリノ・ヴァンチュラの老醜と哀愁が入れ混じってにじむギャングの肖像。
第二の息吹きはよみがえるのか。
一途に待ちつづけ、老いてなお美しいクリスチーヌ・ファブレガの心意気の情婦。
血なまぐさい仁義なき闘争の果てに、老いらくのふたりのそこはかとない愛の讃歌に終わる粋な幕切れ。
いんちきな罠にかけられて仲間を売ったという汚名をそそぐために仕返しの告白書を書かせて殺した相手の仲間の殺し屋どもと命がけで射ち合うリノ・ヴァンチュラを見て、警部のポール・ムーリッスがそれまでの執念の犯人追跡を忘れたかのような人情ぶりを見せるところもある。
人間関係がややこしくて長すぎる観もあるのだが、その長めの複雑さがまさに暗黒街の組織の一筋縄では行かないおそろしさの反映でもあるのだろう。アメリカのギャング映画などとはまた一味違う残虐性や凄味のある傑作と言いたい一篇だ。
「ギャング 4Kデジタルリマスター版」
監督・脚本:ジャン=ピエール・メルヴィル
原作:ジョゼ・ジョヴァンニ
音楽:ベルナール・ジェラール
撮影:マルセル・コンブ
出演:リノ・ヴァンチュラ、ポール・ムーリッス、レイモン・ペルグラン、クリスティーヌ・ファブレガ、ミシェル・コンスタンタン
フランス/1966年/150分/モノクロ
提供:マーメイドフィルム 配給:コピアポア・フィルム
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
©1966 Edition René Chateau.
公式サイト:gang4k.jp
