中島哲也作品の中で異質に輝く──「時には懺悔を」〈あなたに観てほしい、日本映画がある 第10回〉

キネマ旬報YouTubeチャンネルにて配信している〈あなたに観てほしい、日本映画がある〉。現在公開中の日本映画の中から、特にオススメしたい作品を厳選し、その魅力を紐解いていくレビュー動画の第10回が9月18日(金)より配信された。今回取り上げる作品は、「下妻物語」「嫌われ松子の一生」「告白」などの中島哲也監督が、構想18年を経て完成させた「時には懺悔を」。

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原作は、打海文三による同名ミステリー小説。探偵・米本(佐藤二朗)が何者かに殺され、元同僚の佐竹三雄(西島秀俊)と、彼のもとで探偵修業をする中野聡子(満島ひかり)が事件を調べ始める。やがて二人は、9年前に起きた新生児誘拐事件へとたどり着く。誘拐されたのは、重い障害のある子供の新。彼は現在、明野哲夫(宮藤官九郎)という男と二人で暮らしていた――。


西島秀俊、満島ひかりをはじめ、黒木華、宮藤官九郎、柴咲コウ、佐藤二朗、役所広司らが出演。『来る』以来8年ぶりとなる中島哲也監督の新作は、ミステリーを入り口に、人間が抱える罪や愛、そして人と人が共に生きることへと踏み込んでいく――。

レビューする山田氏は冒頭、ジャズ・サックス奏者ジョン・コルトレーンの名盤『バラード』を引き合いに出す。過激なフリージャズにのめり込んだコルトレーンが聴かせた、初期に回帰するかのような『バラード』。山田氏は「時には懺悔を」に、それと重なるものを感じたという。「下妻物語」、「嫌われ松子の一生」を“闇のお祭り”とするなど、独自の映像世界を築いてきた中島哲也作品に触れ、山田氏は本作をこう評する。


「まるでフリージャズのようなアナーキーな爆発を見せた中島世界の中で、ふと花開いたリリカルで奥深い物語。それまでの中島作品群の中でも、やはり異質に輝いているように思った」


現在と過去が目まぐるしく交錯し、観客をどこへ連れていくのか容易には見せない序盤。ところが、その行方が見え始めたとき、山田氏は「そこに思っても見なかった世界が広がっていることに気づく」と語る。そしてレビューの後半で山田氏が注目するのが、重い障害のある少年・新と、彼と暮らす明野哲夫の存在だ。

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明野を演じるのは宮藤官九郎。山田氏は、一見すると“ろくでなし”にも映る明野の内側にあるものを見つめ、その演技にも強い賛辞を送る。一方、新を演じる少年についても、そのキャスティングの背景を紹介しながら


「その新を是非見てほしい。あなたは新を見て何を思い、何を感じるだろうか。そこがこの映画の核心的な問いかけなのではないかと思う」

と投げかける。
中島哲也監督はなぜ、この物語を18年もの間温め続けたのか。そして、これまで数々の強烈な作品を生み出してきた監督が、今回たどり着いた「リリカルで奥深い物語」とは何なのか……。
山田氏が中島哲也監督の過去作を振り返りながら「時には懺悔を」の核心へと迫っていくレビューを、ぜひ動画でお楽しみいただきたい。


※本番組は東芝の「音声合成技術 ToSpeak™」により生成された音声で読み上げられ、視聴の幅を広げて音声コンテンツとしても楽しむことができる構成となっている。


「時には懺悔を」

監督:中島哲也
原作:打海文三『時には懺悔を』(角川文庫/KADOKAWA)
脚本:中島哲也、門間宣裕
出演:西島秀俊、満島ひかり、黒木華、宮藤官九郎、毎熊克哉、鈴木仁、烏森まど、山﨑七海、唯野未歩子、野呂佳代、長井短、しんすけ、山下舜太、諸角優空、柴咲コウ、塚本晋也、片岡鶴太郎、佐藤二朗、役所広司
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
©2026 映画「時には懺悔を」製作委員会

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