城定秀夫は日本映画界の多羅尾伴内である──「藁にもすがる獣たち」〈あなたに観てほしい、日本映画がある 第11回〉

キネマ旬報YouTubeチャンネルにて配信している〈あなたに観てほしい、日本映画がある〉。現在公開中の日本映画の中から、特にオススメしたい作品を厳選し、その魅力を紐解いていくレビュー動画の第11回。今回取り上げる作品は、城定秀夫監督が曽根圭介の同名小説を映画化した「藁にもすがる獣たち」。

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バイト先のネットカフェで、客が置いていったボストンバッグを見つけた“自称”大学生YouTuberの佐藤寛治(鈴鹿央士)。バッグの中に入っていたのは、なんと1億円もの大金だった。思わぬ大金を手にしたことで、寛治は裏社会とつながる悪徳警官・江波戸(成宮寛貴)、謎めいた夜職女性・し~な(森七菜)ら、出会うはずのなかった人々が入り乱れる1億円争奪戦へと巻き込まれていく。

監督・脚本を務めるのは、「アルプススタンドのはしの方」「愛なのに」「ビリーバーズ」「悪い夏」など、ジャンルを横断して作品を撮り続ける城定秀夫。脚本は城定監督と、「岸辺露伴は動かない」シリーズなどで知られる小林靖子が共同で手掛けている。本作をレビューする元にっかつプロデューサー、脚本家の山田耕大氏がまず語るのは、そんな城定秀夫という映画監督についてだ。

「面白い映画だなと思って監督の名を見たら、それが城定秀夫だったという具合だ。プロ中のプロ、職人中の職人である。こういう監督が日本映画の基盤を作ってくれているのだ」

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山田氏が城定監督を知った意外なきっかけから、「アルプススタンドのはしの方」に驚かされた思い出へ。そして、エロス、青春、ラブコメ、カルト、社会派、ホラーと、次々に異なるジャンルの作品を生み出してきた城定監督のキャリアを振り返りながら、山田氏は彼を、かつて片岡千恵蔵が演じた“七つの顔を持つ男”になぞらえる。

「城定秀夫は日本映画界の多羅尾伴内である」

そして、その新たな“顔”となるのが、「藁にもすがる獣たち」で見せるクライムサスペンスだ。城定監督が本作で掲げたテーマは、“東映プログラムピクチャーの復刻”。かつて自身を楽しませた数々の娯楽映画への敬意を込めたという言葉通り、映画には往年の東映映画を思わせる仕掛けも盛り込まれている。一方、脚本の小林靖子は、曽根圭介の原作を映画化するにあたって大胆な改変を施した。山田氏は、原作と映画で大きく変化した登場人物や設定にも触れながら、その脚色の面白さを紐解いていく。

また、山田氏は森七菜についても「国宝」やNHKのドラマ『ひらやすみ』で見せた姿との違いに触れながら、その変貌ぶりに注目。本作での起用を高く評価する。原作から何が変わり、それによって映画はどんな娯楽作品へと生まれ変わったのか。そして城定秀夫監督が目指した“東映プログラムピクチャーの復刻”は、スクリーンにどのように息づいているのか――。

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城定秀夫監督の多彩なフィルモグラフィーから原作との違い、俳優陣の魅力、さらには同じ原作から生まれた韓国映画版との比較まで、「藁にもすがる獣たち」の面白さを縦横に語るレビューを、ぜひ動画でお楽しみいただきたい。

※本番組は東芝の「音声合成技術 ToSpeak™」により生成された音声で読み上げられ、視聴の幅を広げて音声コンテンツとしても楽しむことができる構成となっている。

「藁にもすがる獣たち」

監督:城定秀夫
原作:曽根圭介
脚本:小林靖子、城定秀夫
音楽:安川午朗
出演:鈴鹿央士、成宮寛貴、森七菜、MEGUMI、前田旺志郎
二ノ宮隆太郎、青木マッチョ、岩松了、小手伸也、風吹ジュン
配給:東映
©曽根圭介/講談社 ©2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会

9月25日(金)より全国公開

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