10年来の“戦友”、横浜流星&藤井道人監督の名コンビが贈るサスペンス・エンタテイメント! 映画「正体」

死刑判決を受けた男が脱走し、名を変え顔を変え、ある目的のために決死の逃亡劇を繰り広げるサスペンス・エンタテイメント映画「正体」。主演の横浜流星と監督の藤井道人は10年以上の親交があり、映画、ドラマ、MV、CMなどで度々タッグを組んできた。その“戦友”である二人が、脚本修正などの準備期間から完成までに約4年をかけた本作は、共に第48回日本アカデミー賞で最優秀賞(主演男優賞&監督賞)を受賞したほか、20以上の映画賞を受賞する高い評価を受けた。そんな二人が織りなす集大成的映画である「正体」の豪華版Blu-rayと通常版DVDが、8月27日(水)に発売された(レンタルDVD同時リリース)。豪華版Blu-rayには、横浜と藤井監督、そして共演の吉岡里帆、森本慎太郎、山田杏奈、山田孝之らスタッフ&キャストが、魂を込めて本作を作り上げたことがヒシヒシと伝わる特典映像『密着ドキュメンタリー』も収録されている。

逃亡中に出会う人々を通して死刑囚の“正体”を浮き彫りにするスリリングな人間ドラマ

主人公は、日本中を震撼させた殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けた鏑木慶一(横浜流星)。彼は自傷行為で吐血して急病を装い、病院への搬送中に脱走を図る。担当刑事の又貫(山田孝之)ら警察は、懸賞金まで懸けて血眼で捜索するが、鏑木は名も容姿も変え、職を転々としながら日本各地で343日間もの潜伏と間一髪の逃走を繰り返す。その中で鏑木が出会うのは、ニュースメディア編集者の安藤沙耶香(吉岡里帆)、工事現場作業員の野々村和也(森本慎太郎)、介護職員の酒井舞(山田杏奈)などの人々。又貫は彼らに事情聴取するが、それぞれが出会った鏑木は、まったく別人のような姿をしているだけでなく、残酷な殺人犯とは思えない優しく誠実な人柄を見せていた。日本を縦断する鏑木の“真の目的”とその“正体”とは……?

原作は2020年に出版された染井為人の同名小説。同原作者の映画化作品としては、作家デビュー作であり、第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞した「悪い夏」(2025年3月公開)もある。実は今回の原作『正体』は、2022年にWOWOWで全四話の連続ドラマ化もされており、それぞれ原作と異なる箇所がある。主人公・鏑木の設定は映画版の方が原作に沿っているが、鏑木の周囲の人々や潜伏先の設定などは、映画版の方が変更点が多い。スリリングな逃亡劇としての面白さはすべてに共通するが、結末については映画・ドラマ共に、冤罪というテーマが色濃く反映された原作と大きく異なる。

また、映画版の変更点は尺のためのエピソードの省略はあるものの、リアリティや人物描写にこだわったアレンジがされており、原作やドラマ版のダイジェストに陥らず、独自の魅力が際立つ。鏑木に関わる人々がなぜ鏑木を信用したのか、鏑木との出会いでどう変化していったのかなどを、短時間の中でも入念に描き、周囲の人々を通して鏑木の“正体”を浮彫りにし、人間ドラマとしての魅力を深めつつ、人を信じる希望までも加味した、サスペンスと感動に心を揺さぶられる極上のエンタテイメント作に仕上げている。そのため原作やドラマ版を見ている方も新鮮に楽しめる映画となっているし、見比べてみてもそれぞれの魅力や重視したテーマが明確になって興味深いだろう。

クランクインまで約3年かけて準備し、満を持して作り上げた思い入れの強い作品

本作を生んだキーマンの二人、主演の横浜流星と監督の藤井道人の出会いは約10年前、オムニバス映画「全員、片想い」(16)の打ち上げ会場だったという。同作内の別短編の監督と俳優としてニアミスし、シンパシーを感じた二人は、2018年の青春群像劇「青の帰り道」で監督と俳優として初タッグ。お互いにブレイク前で、横浜はオーディションで7人の高校生役メインキャストの一人に選ばれた。同作は諸事情で大半を撮影した後に中断されるも、キャストやスタッフの熱意により1年後の再撮影を経て完成した労作で、本作が強い絆を結んでいくきっかけとなったようだ。

以降、横浜と藤井監督は、ロックバンド“amazarashi”のMV『未来になれなかったあの夜に』(19)、オムニバス映画「DIVOC-12」(21)の中の短編「名もなき一篇・アンナ」、Netflixの配信ドラマ『新聞記者』(22)、ドラマ『インフォーマ』(23)、映画「ヴィレッジ」(23)、Netflixの配信映画『パレード』(24)、さらにはCMや、藤井がエグゼクティブ・プロデューサーを務めた配信ドラマ『わかっていても the shapes of love』に横浜が主演するなど、幾度も組んできた。お互いを“戦友”とも呼ぶ二人が、クランクインまで約3年もの間、脚本やセリフなどの検討を重ねて準備し、満を持して作り上げたのが本作「正体」で、横浜は「非常に思い入れのある作品」とも語っている。

そして本作は、第49回報知映画賞で作品賞(邦画)&主演男優賞(横浜)&助演女優賞(吉岡里帆)の3冠をはじめ、第79回毎日映画コンクール主演俳優賞(横浜)など20以上の映画賞を獲得。中でも第48回日本アカデミー賞では、同回最多の12部門で13の優秀賞を受賞し、主演男優賞(横浜)、監督賞(藤井)、助演女優賞(吉岡)の3部門では最優秀賞も獲得。5年前の第43回日本アカデミー賞で、横浜が3作品で新人俳優賞、藤井が「新聞記者」(19)で最優秀作品賞や優秀監督賞をそれぞれ受賞した際、いつか同じ作品でこの壇上に一緒に立ちたいと思っていたと横浜が今回の受賞時に語るなど、本作での受賞は二人にとって感慨もひとしおのようだ。さらなる名作を生みだすことが期待される名コンビのターニングポイントといえるだろう。

豊富なコメント、臨場感たっぷりのアクションシーンの裏側などを明かした特典映像

8月27日(水)にリリースされる豪華版Blu-rayには、特典映像として『「正体」密着ドキュメンタリー』も収録。主演の横浜や藤井監督はもちろん、主人公の鏑木が逃亡中の潜伏先で出会う人々を演じた吉岡里帆、森本慎太郎、山田杏奈、そして鏑木を追う刑事を演じた山田孝之らメインキャストのコメントも交え、撮影現場の様子を振り返っている。撮影は2期に分けて行われ、2023年7月に夏編、2024年1月に冬編が撮影されており、横浜は「夏編の映像を繋いだものを見せてもらって冬編の撮影に臨めたので、整理できた上でより強い気持ちで鏑木として生きられた」「逃亡している時間経過と四季をしっかりと画に映すことができた」「それほど時間をかけて撮影できる機会はなかなかないので、本当に贅沢で幸せな撮影だった」などと感慨深く語っている。

また、本作はアクション映画ではないが、鏑木の逃亡シーンでは横浜の優れた身体能力が生かされたアクションシーンも随所にある。中でも鏑木がマンションの3階から捨て身の逃走を図るシーンでは、室内からベランダを乗り越えて外に飛び降り、人をかき分けて道路を走り抜け、橋の上で追い詰められるまでを一連のワンカットで見せており、一緒に死に物狂いで逃げているかのような臨場感が味わえ、緊張感を高めて中盤を引き締める大きな見どころとなっている。その高低差のある動きにまで密着した目を見張る映像がどうやって撮られたのかも気になるシーンだが、手持ちカメラを持ったスタッフが横浜と一緒に飛び降り、下にいる別スタッフにカメラを受け渡している様子などの裏側を、コメントや事前の準備練習まで含むメイキング映像で明かしている。

コメントは撮影中のものから、完成後のものや、舞台挨拶時のものまで豊富に収録。キャスト陣が藤井監督の現場について、「ワンカットワンカット妥協せずにベストを目指し、僕ら役者を信じてくれる、とても士気の高い現場」(横浜)、「すごく細かいところまで見てくださっているので、自分の意見も伝えやすいし、納得のいく演出をしてくれる」(吉岡)、「藤井組で僕は学ぶことしかなかった」(森本)、「しっかりお芝居と向き合える幸せな時間でした」(山田杏奈)と語っていたり、ポイントになったシーンの芝居や役作りについても詳細に解説している。

他にも藤井監督が、今回の横浜とは「お互いがこの作品にかけてきた時間が長いからこそ、二人の間に鏑木がいるような感覚がすごくあった」と振り返っていたり、初めて組んだ森本を「自分の映画人生の中でも発見というか、すごく面白い俳優を見つけられた」と評する姿や、山田杏奈扮する介護職員の舞が鏑木をスマホで撮った劇中映像は、実際に現場で山田杏奈が撮った映像が使われているため、山田杏奈が「画角を細かく聞いて、ヒヤヒヤしつつ震えながら撮っていました(笑)」という裏話を明かしたり、裁判のシーンでは傍聴席に原作者の染井為人が参加している様子なども収められている。

また、自身が初めてプロデューサーに専念した映画「デイアンドナイト」(19)でも藤井監督と組んでいる旧知の仲でありながら、俳優として組むのは初めての山田孝之が「長いことお付き合いさせていただいているけど、やっとがっつりお仕事でき、それもこんなすごい作品の大役を任せていただいて光栄でした」とクランクアップ時に語る姿など、高い意欲を持って撮影に臨んだ様子が窺えたりと見所満載の特典映像となっている。

文=天本伸一郎 制作=キネマ旬報社

「正体」

●8月27日(水)Blu-ray&DVD発売(レンタルDVD同時リリース)
▶Blu-ray&DVDの詳細情報はこちら

●Blu-ray豪華版 価格:8,250円(税込)
【ディスク】<1枚>※本編+特典映像
★特典映像★
・「正体」密着ドキュメンタリー
・予告編集

●通常版DVD 価格:4,180円(税込)
【ディスク】<1枚>※本編
★特典映像★
・予告編集

●主題歌『太陽』ヨルシカ( Polydor Records)
●原作:染井為人『正体』(光文社文庫)
●監督:藤井道人
●脚本:小寺和久 藤井道人
●音楽:大間々昂

●出演:横浜流星
吉岡里帆 森本慎太郎 山田杏奈 
前田公輝 田島亮 遠藤雄弥 宮﨑優 森田甘路
西田尚美 山中崇 宇野祥平 駿河太郎 / 木野花 田中哲司 原日出子 松重豊
山田孝之

●発売元:TBS 発売協力:TBSグロウディア 販売元:TCエンタテインメント
©2024 映画『正体』製作委員会

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