黒沢清の「ドレミファ娘の血は騒ぐ」はロマンポルノになるはずだった!? キネマ旬報YouTube〈あの懐かしの映画を語ろう〉第4回

映画を創った人だけが知っている物語がある──
80年から90年代を彩った日本映画の舞台裏に迫る、「キネマ旬報」公式YouTubeチャンネルのオリジナル番組〈あの懐かしの映画を語ろう〉。第4回が9月17日(水)より配信された。元にっかつプロデューサーの山田耕大氏に今回語っていただくのは、黒沢清監督の「ドレミファ娘の血は騒ぐ」。そしてその元になった幻のロマンポルノ「女子大生 恥ずかしゼミナール」について。

黒沢清は大学在学中に蓮實重彦の「映画表現論」を受講し、第4回(1981年)ぴあフィルムフェスティバルで8ミリ映画「しがらみ学園」が入選。ディレクターズ・カンパニーの設立に参加し、1983年のピンク映画「神田川淫乱戦争」で商業監督デビュー。そして、一般映画作品として1985年に公開されたのが「ドレミファ娘の血は騒ぐ」だ。

この「ドレミファ娘の血は騒ぐ」が、ロマンポルノとして製作されながらお蔵入りになった「女子大生 恥ずかしゼミナール」に、追加撮影・再編集された作品だったことは映画ファンには知られた話ではないだろうか。

「家族ゲーム」製作後の山田氏は、原点に立ち返って新人監督に好き勝手暴れてもらおうと、苦境に立つロマンポルノの製作に復帰。しかし、ディレクターズ・カンパニーの気鋭の黒沢清を監督に、モデルとして活動していた洞口依子を主演に抜擢、伊丹十三も出演する「女子大生 恥ずかしゼミナール」はなぜお蔵入りになってしまったのか…。その顛末について企画に関わった山田氏に語っていただいた。

「ドレミファ娘の血は騒ぐ」あるいは「女子大生 恥ずかしゼミナール」

このたび配信された前編では、第1回の収録では話し足りなかったという森田芳光の貴重なエピソードからスタート。上司の佐々木氏と共にロマンポルノの現場に復帰した山田氏と、ディレクターズ・カンパニー気鋭の黒沢清との初対面が語られる。

黒沢清が書いた「女子大生 恥ずかしゼミナール」の脚本を読んだ山田氏は、起承転結があるようでないような「あんな本(脚本)読んだことがない」もので、案の定、その準備稿がにっかつ社内で散々な酷評を受けてしまいこの企画は流れると覚悟。しかし、そんな崖っぷちの状況は、伊丹十三が出演すると分かるや一気にGOサインが。ロマンポルノ作品に伊丹が出るという話題性に懸けて、流れかけた企画は進むことになったのだという。また、主演の洞口依子のキラキラとした圧倒的な存在感についても語られる。

なお、9月下旬の公開予定の後編では、完成した「女子大生 恥ずかしゼミナール」がお蔵入りになった核心部分と共に、作品を担当したことで山田氏がにっかつを退社せざるを得なかった苦境、さらに黒沢清についてなど、話はさらに盛り上がります。
後編も是非、ご期待ください。

 

キネマ旬報公式YouTube 〈あの懐かしの映画を語ろう〉
第1回「家族ゲーム」
 前編:https://youtu.be/MQdGi9lI2ZM
 後編:https://youtu.be/ZPkQQ0ZCdJo
第2回「私をスキーに連れてって」
 前編:https://youtu.be/DTmZNlDRplQ
 後編:https://youtu.be/cLEuN8b0nRA
第3回「ベッドタイムアイズ」
 前編:https://youtu.be/dIt0TQOmneU
 後編:https://youtu.be/n6AHw9X3_jg

〈今後の配信予定〉
「ドレミファ娘の血は騒ぐ」(後編) 9月下旬予定
「死んでもいい」
「木村家の人びと」


「ドレミファ娘の血は騒ぐ」
監督:黒沢清
脚本:黒沢清、万田邦敏
企画:丸山茂男、宮坂進
プロデューサー:山本文夫
撮影:瓜生敏彦/照明:片山竹雄/ 録音:銀座サウンド/編集:菊池純一/ 音楽:東京タワーズ、沢口晴美/助監督:万田邦敏
出演:洞口依子、伊丹十三、麻生うさぎ、加藤賢崇、暉峻創三、岸野萌圓 勝野宏 
1985年/日本/80分
©EPIC・ソニー/ディレクターズ・カンパニー

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